(c)news1
(c)news1

【10月04日 KOREA WAVE】韓国の防衛産業が、完成品を輸出する従来のモデルから、現地生産や技術移転を組み合わせた事業構造への転換を進めている。設計、製造、整備をデータで結ぶAI・デジタル転換(AX・DX)の重要性も高まっている。

韓国の防衛装備品輸出受注額は2022年に173億ドル(約2兆5800億円)でピークを記録した後、2024年には96億ドル(約1兆4300億円)まで減少したが、2025年には154億ドル(約2兆3000億円)へ回復した。防衛事業庁は2030年までに年間200億ドル(約2兆9800億円)の輸出達成を目指している。

主要企業の業績もおおむね好調だ。ハンファ・エアロスペースの2026年上半期の連結売上高は15兆439億ウォン(約1兆5900億円)、営業利益は2兆44億ウォン(約2120億円)で、前年同期比それぞれ27.5%、44.1%増加。防衛事業の受注残高は38兆3073億ウォン(約4兆600億円)に達した。

現代ロテムの上半期売上高は3兆635億ウォン(約3250億円)で18.1%増加し、受注残高は過去最高の30兆4046億ウォン(約3兆2200億円)。韓国航空宇宙産業(KAI)は売上高2兆2606億ウォン(約2400億円)、受注残高25兆7502億ウォン(約2兆7300億円)だった。LIGディフェンス&エアロスペースも受注残高24兆5781億ウォン(約2兆6100億円)を確保している。

輸出先の要求は、価格競争力のある完成品の購入から、技術移転と現地生産を組み合わせた方式へ変化している。

ハンファ・エアロスペースは2026年2月、ルーマニア・ドゥンボビツァ県ペトレシュティで現地生産工場「H-ACE Europe」の建設を開始した。約18万平方メートルの敷地でK9自走砲とK10弾薬運搬装甲車の組み立て、試験、整備を担い、現地企業との協力によって現地調達率を最大80%まで高めることを目指す。

ポーランドではWBグループとの合弁会社が約20億ポーランド・ズロチ(約818億円)を投じ、「天橆」の誘導弾工場を建設している。オーストラリア・ジーロング工場では2月にAS9自走砲を初出荷し、AS10弾薬運搬車も生産している。

現代ロテムも技術移転と共同生産を進める。4月にはポーランド国営PGZ傘下のブマル・ワベンディと、K2PL戦車や回収戦車の現地生産・整備に関する協力契約を締結した。65億ドル(約9700億円)規模の第2次契約180両のうち61両をポーランドで生産する。

一方、現地生産が増えるほど韓国内への経済波及効果が海外へ移るとの課題もある。産業研究院は2025年の防衛装備品輸出による生産誘発効果を46兆4000億ウォン(約4兆9200億円)、雇用誘発効果を10万1000人と推計している。

人手不足への対応としてAX・DXも進む。KAIはKF-21開発で単一ソース・単一データベースを基盤とする環境を構築し、仮想現実(VR)や機能デジタルモックアップを導入。2025年には強化学習型AIを活用した戦術開発・訓練用模擬飛行システムを開発・納入したほか、航空・防衛分野に特化したAI「KAiLOT」を開発している。

政府も支援を拡大しており、2026年の防衛力改善分野の研究開発予算は過去最大の5兆8396億ウォン(約6190億円)と、前年比19.4%増えた。政府と民間が800億ウォン(約85億円)ずつ拠出する計1600億ウォン(約170億円)規模の「K防衛産業輸出ファンド」も始動している。

業界では、超長期の輸出金融を恒常的に利用できる仕組みや、技術移転を伴う契約で核心技術を守る交渉力、中小協力会社の海外サプライチェーン参入を支える資金力が今後の課題として挙げられている。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News