【10月02日 KOREA WAVE】
9月30日、ワシントンのホワイトハウス大統領執務室で、韓国の対米投資について発言するトランプ米大統領=2026年9月30日、ワシントン(c)AFP/news1
9月30日、ワシントンのホワイトハウス大統領執務室で、韓国の対米投資について発言するトランプ米大統領=2026年9月30日、ワシントン(c)AFP/news1

トランプ米大統領が、韓国によるアラスカ液化天然ガス(LNG)事業への投資規模を540億ドル(約8.5兆円)と明らかにしたことを巡り、韓国では、政府が直ちに反論したり投資決定を急いだりせず、時間をかけて事業性を検証すべきだとの指摘が専門家から出ている。一方、対米投資第1号となる米テキサス州エンシナルのガス複合火力発電所建設が確定し、韓国の対米投資計画は具体化し始めた。

韓国政府が発表した韓米戦略的投資プロジェクト推進計画では、アラスカLNG事業は、商業的合理性や国内法上の要件を満たすことを条件に「検討に着手」する段階とされている。このため、トランプ氏の発言だけで韓国側の投資が確定したわけではないとの見方が出ている。

トランプ氏は9月30日、韓国の投資に540億ドル規模のアラスカLNG事業が含まれると説明した。専門家からは、韓米間で文書化された内容には同事業への540億ドル投資は盛り込まれていないとして、米国側に事業情報の提供を求め、経済性を十分に検証すべきだとの意見が相次いだ。

韓国開発研究院(KDI)のソン・ヨングァン上級研究委員は、米石油大手がすでに同事業から撤退しているとして、投資後は埋没費用のため撤退が難しくなる可能性を指摘した。専門家からは、日本の参加を得てリスクを分散するほか、韓国へのLNG供給価格や韓国企業によるプラント資機材供給を交渉条件とする案も示された。

一方、エンシナル発電所は総事業費223億ドル(約3.5兆円)、約6.3ギガワット(GW)規模。まず1.4GWのガスタービン発電所を建設し、その後4.9GWの設備を段階的に拡大する。韓国政府は20年間で最大約454億ドル(約7.2兆円)を回収でき、元利金の回収が可能と判断した。

キム・ジョングァン(金正官)産業通商相は、複数の事業でリスクを分散する仕組みを具体化したと説明した。一部事業の収益が期待を下回った場合、ほかの事業で韓米が利益を5対5で分配する期間を延長し、韓国側の元利金回収の安定性を高める仕組みだ。

エンシナル事業では、テキサス州の天然ガス調達環境や人工知能(AI)データセンターの拡大による電力需要増加も投資判断の背景となった。ただ、実際の収益性はガスや電力の価格、発電所の稼働率、金融費用に加え、長期電力購入契約(PPA)をどこまで確保できるかに左右される。

韓国政府は今後の投資について、年間200億ドル(約3.2兆円)、総額2000億ドル(約31.6兆円)を上限とする方針だ。原発事業では最大8基の建設に1200億ドル(約18.9兆円)を活用する案を検討する一方、アラスカLNGへの具体的な投資はまだ確定しておらず、事業性と国内法上の条件を満たす場合に限り推進する原則を維持している。

専門家らは、今後の焦点は個別事業の収益性とリスクを韓国側がどこまで管理できるかに加え、原発やLNGなどの事業を韓国企業の米国市場進出や受注につなげられるかだと指摘している。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News