韓国のスイーツブランド「韓貞仙」の商品(c)news1
韓国のスイーツブランド「韓貞仙」の商品(c)news1

【10月01日 KOREA WAVE】韓国で、フルーツ大福を購入するために40分も並ぶ現象が起きている。価格は1個最大7500ウォン(約750円)。大福1個にこれほどのお金と時間をかけるべきか迷っている間にも、用意された商品が次々と売り切れていく。

2026年初めに「ドバイもちもちクッキー」を求めてカフェを巡っていた消費者たちが、今度はフルーツ大福ブランド「韓貞仙(ハンジョンソン)」の店舗に列を作っている。流行の商品は変わったものの、消費者を引きつける仕組みには共通点がある。

韓国の流通業界によると、ソウル市内の主要百貨店に出店しているハンジョンソンの店舗には、フルーツ大福を買い求める客が相次いでいる。

イチゴや熟した柿などの果物にヨーグルトを組み合わせ、もち米で作った生地で包んだ商品だ。価格は1個6000ウォン(約600円)前後だが、一部店舗では行列ができるほどの人気を集めている。

この光景は、数カ月前のドバイもちもちクッキーブームを思い起こさせる。

ドバイもちもちクッキーも、小さなスイーツ1個が一般的な食事1回分に迫る価格だったにもかかわらず、連日の売り切れや開店前から客が並ぶ現象が続いた。

ピスタチオやカダイフといった珍しい材料を使用し、もちもちとした食感とサクサク感を組み合わせたことが口コミで広がり、多くの消費者を引きつけた。

ドバイもちもちクッキーとフルーツ大福は、一見するとまったく異なるスイーツだ。しかし、人気の理由を探ると共通点が見えてくる。

それは、まったく新しい食べ物を生み出すのではなく、消費者になじみのある菓子に珍しい材料や組み合わせを加え、新鮮さを演出する手法だ。

親しみやすさによって購入への心理的なハードルを下げながら、「高くても一度は食べてみたい」という好奇心を刺激している。

食感も重要な要素だ。最近流行したスイーツには、特に「もちもち」という表現が付きまとう。

ドバイもちもちクッキーは、もちもちした外側の生地とサクサクしたカダイフの対比が特徴。一方、フルーツ大福は柔らかなもち米の生地と生の果物の食感を一口で楽しめる。

単に甘さを強調するのではなく、かんだときの楽しさも商品の魅力になっている。

さらに、最近のスイーツは味覚より先に視覚で消費者を引きつける必要がある。

ドバイもちもちクッキーを半分に割ると、緑色のピスタチオとカダイフが現れる。フルーツ大福も切った瞬間、色鮮やかな果物の断面が姿を見せる。

食べる前から写真を撮りたくなる見た目が、新たな競争力になっている。

味は実際に食べなければ分からないが、鮮やかな色彩や美しい断面、もちもち、サクサクといった食感は、写真や動画だけでも好奇心を刺激する。

消費者がSNSに投稿した写真や動画が別の消費者の購買意欲を高め、それが新たな投稿につながることで、流行が急速に広がっていく。

簡単には購入できないという希少性も、人気を後押ししている。

販売店舗や1日の販売数量が限られている場合、商品を手に入れる過程そのものが一つの体験となる。苦労して購入した分、SNSで紹介したいという心理も強まり、投稿が商品の希少性をさらに際立たせ、新たな需要を生み出す。

最近のスイーツ人気は、味だけでは説明できない。何を食べるかだけでなく、新しい商品を見つけ、苦労して手に入れ、実際に味わうまでの過程が消費体験の一部になっているためだ。

ドバイもちもちクッキーからフルーツ大福へと流行の主役は変わったが、人気を生み出す仕組みは大きく変わっていない。

次にどのようなスイーツが行列を生むかは分からないが、見た目と味の両方で消費者を引きつけ、購入する過程まで体験として楽しむ消費傾向は、当面続くとみられる。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News