[KWレポート] “崖っぷち”韓国の検事 (上)…昼食10分、深夜帰宅、机には何万ページもの事件記録
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【10月01日 KOREA WAVE】ソウル中央地検で、公判を担当する検事たちが膨大な事件記録と連日の裁判に追われている。昼食を10分で済ませ、週に3~4回は残業し、週末にも出勤する。検察改革が進む中、現場からは人員不足を懸念する声が上がっている。
ソウル中央地検公判第2部のクォン・イェリ検事の一日を取材した。午前9時、事務室の廊下には事件記録を運ぶ台車が9台並び、机には厚さ数十センチに及ぶ書類が積まれていた。同僚の検事は「裁判がある日の方がまだまし。裁判のない日はたまった記録を確認するため、さらに忙しい」と話した。
午前9時56分、クォン検事は法廷で次々と始まる裁判に対応した。被告側の新たな主張に反論する証拠を提出するため、記録をめくりながらメモを取る。午前の裁判が終わったのは11時半ごろだった。
昼食を10分で済ませて午後の裁判に臨み、体の不自由な証人に配慮しながら尋問を進めた。裁判が終わったのは午後6時過ぎ。夕食はサンドイッチで済ませ、翌日の裁判記録を確認するという。
午後7時半、事務室に戻ったクォン検事は、膨大な記録を抱えながら複数の事件を同時に担当する日常を「その日暮らし」と表現した。
「週4日裁判があれば、記録を十分に確認できるのは1日だけ。毎日、目の前の仕事に追われている」
公判担当検事は裁判の合間や食事時間を使い、上訴の判断や無罪事件の検討、量刑の分析、控訴理由書の作成などもこなす。クォン検事によると、週3~4回の残業に加え、週末出勤も珍しくない。
夫も現職の検事だが、平日は互いに残業が続くため、通勤途中などに短い電話で近況を伝え合う程度だという。
クォン検事は、検察の直接捜査権が重大犯罪捜査庁に移管されることを理由に、公訴庁の検事を削減すべきだという主張についても懸念を示した。
直接捜査が検察業務全体に占める割合は小さく、移管されても現場の業務量はほとんど変わらないという。合同捜査本部や特別検察への派遣、退職者の増加などで事件の処理が滞り、2026年8月時点で全国の検察庁が抱える未処理事件は16万4822件に達している。
「警察から送致された記録だけで公訴を維持する場合、法廷で初めて新たな主張が出ることもある。現在の人員で十分に対応できるか心配だ」と訴えた。合議体で審理する事件では記録が1万ページを超え、読むだけで数日かかることもある。
韓国最高検によると、2026年9月時点で全国の公判担当検事は295人。刑事裁判部543部に対し、検事1人が平均1.84部を担当している。
それでも仕事を続ける理由について、クォン検事は「何万ページもの記録は、結局は誰かの人生。自分の事件を適当に処理してほしい人はいない」と語った。
被害者から頼りにされていると感じたり、感謝の手紙を受け取ったりすると、再び働く力が湧いてくるという。
取材を終えたクォン検事は「昨日も帰宅したのは明け方。今日中に帰れるか心配です」と話し、再び机に向かって書類をめくり始めた。
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News