ソウル市内の映画館に掲示された映画「暗殺者(たち)」の宣伝ポスター=2026年9月28日(c)news1
ソウル市内の映画館に掲示された映画「暗殺者(たち)」の宣伝ポスター=2026年9月28日(c)news1

【09月30日 KOREA WAVE】1975年のムン・セグァン(文世光)事件を題材にした韓国映画「暗殺者(たち)」をめぐる歴史歪曲論争に関連し、映画の制作チームが名誉毀損容疑で警察に告発された。

イ・ジョンベ(李鍾培)元ソウル市議は29日午前、映画監督や脚本家、プロデューサーら制作チームを、虚偽事実の摘示による名誉毀損容疑でソウル警察庁に告発すると明らかにした。

イ・ジョンベ氏は、映画のタイトルを単数形の「暗殺者」ではなく複数形の「暗殺者(たち)」としたことで、ムン・セグァン以外にも暗殺の主体が存在した可能性を示唆していると主張。また、当時の権力機関の関与を疑わせる場面などを連続して配置し、事件の背後に当時のパク・チョンヒ(朴正熙)大統領(故人)がいたとの認識を観客に抱かせる内容になっていると訴えた。

さらに、パク・チョンヒ氏が、妻ユク・ヨンス(陸英修)氏の銃撃事件の背後にいたか、少なくとも犯行に関与した可能性があるように受け取らせているとして、故人に対する名誉毀損に当たり、遺族に対しても別途、名誉毀損が成立すると主張した。

事件は1975年8月15日の光復節記念式典で発生した。当時の捜査当局は、北朝鮮と在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の指令を受けたムン・セグァンがパク・チョンヒ氏を狙撃しようとして失敗し、その過程でユク・ヨンス氏が銃弾を受けて死亡したと結論付けた。

映画は、ユク・ヨンス氏がムン・セグァンの銃弾を受けて死亡したとする当時の捜査当局の結論とは異なり、ユク・ヨンス氏に命中した銃弾の出所や事件の背後関係に疑問を投げかける内容で、韓国政界を中心に歴史歪曲をめぐる論争が起きている。

制作チームは28日に声明を発表し、「既存の事実を否定したり、歪曲したりする目的で制作した映画ではない」と説明している。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News