中国のオフィスビル、供給拡大から「価値創出」へ
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【10月3日 東方新報】9月に北京市で開催された2026年中国国際サービス貿易交易会(CIFTIS、服貿会)では、「2026本社経済大会」(第6回オフィスビル経済・都市高品質発展フォーラム)が開かれた。都市開発が「量の拡大」から「質の向上」へと転換する中、既存のオフィスビルをどう活性化させるかが主要テーマとなった。
中国の主要都市では、オフィス市場の明暗が分かれている。世界的な不動産サービス大手CBREによると、今年上半期の北京では新規供給がなく、空室率は6四半期連続で低下して17.8%となった。一方、上海市は新規供給の増加により空室率が24.5%まで上昇し、広州市(Guangzhou)も22.4%となった。賃料も各都市で下落しており、単にビルを建てるだけでは競争力を維持できない状況が鮮明になっている。
こうした中、業界ではオフィスビルの役割そのものを見直す動きが広がっている。従来は企業を入居させる「箱」としての役割が中心だったが、今後は入居企業同士を結び付け、新たな取引や事業連携を生み出す場としての機能が求められている。
深セン市(Shenzhen)発のオフィスビル運営会社MFGは、企業を誘致するだけでなく、同じビルに入る企業同士をつなぎ、サプライチェーンや事業提携につなげることが重要だとしている。AI関連企業の増加も、オフィス需要を変えつつある。豪華な内装や立地だけでなく、電力や計算資源、技術支援、企業間ネットワークといった環境の充実が、ビル選びの新たな基準になり始めている。
もう一つの焦点が、「本社経済」だ。外部企業の本社を誘致するだけでなく、地元企業が海外展開を進めながら、意思決定や研究開発、財務、サプライチェーン管理などの中枢機能を地元に残すことで、地域経済全体を底上げしようという考え方だ。
北京の西城区では、限られた面積に大企業の本社機能を集積させることで高い経済効果を生み出している。北京はフォーチュン500企業(Fortune 500)の本社数で14年連続中国最多となっており、西城区にはそのうち15社が本社を置く。
中国のオフィス市場は、建物の「高さ」や「新しさ」を競う段階から、どれだけ企業や人を引き付け、新たな産業や取引を生み出せるかを競う段階へ移りつつある。空室率が高止まりする都市もある中、既存ビルの価値をどう再構築するかが、今後の都市開発の重要な課題となりそうだ。(c)東方新報/AFPBB News