釜山・北港親水公園の水路を泳ぐサメ「プカンイ」。沖へ誘導するための救出作業が進められた=2026年9月29日(c)NEWSIS
釜山・北港親水公園の水路を泳ぐサメ「プカンイ」。沖へ誘導するための救出作業が進められた=2026年9月29日(c)NEWSIS

【09月30日 KOREA WAVE】韓国・釜山の北港親水公園に現れた1匹のサメが、「プカンイ」の愛称で全国的な人気を集めている。直接見ようと多くの市民が訪れ、SNSでも連日のように近況が共有されるなど、韓国で相次ぐ「動物ファンダム」の新たな存在となっている。

プカンイは北港親水公園の人工水路に13日間滞在している。9月19~28日に同公園を訪れた人は累計60万人に達した。

プカンイが水面に姿を見せるたびに市民から歓声が上がり、SNSには「まだいますか」「今日も見られますか」などの投稿が相次いだ。釜山市はこうした人気を受け、29日にプカンイを市の名誉広報大使に任命した。

一方、釜山市と国立水産科学院は29日、プカンイを海へ戻すための誘導作業を実施したが、現在も水路にとどまっている。

韓国ではこれまでも特定の動物が大きな人気を集めてきた。代表的なのが、2020年に京畿道・龍仁のテーマパーク「エバーランド」で生まれたジャイアントパンダのフーバオだ。愛らしい姿や飼育員との交流で人気を集め、映画や書籍、グッズも登場するなど、一つの文化現象となった。2024年4月に中国へ戻る際には約6000人のファンが集まった。

2026年4月には、大田の動物園「オーワールド」から脱走したオオカミの「ヌック」も全国的な関心を集めた。9日間の脱走期間中、市民は発見情報や救出状況をSNSで共有し、無事に戻ることを願った。

専門家は、こうした動物ファンダムが広がる背景として、動物に対する認識の変化や、精神的な安らぎを求める心理を挙げている。

ソウル大学心理学科のクァク・グムジュ名誉教授は、犬や猫を家族のように考える文化が広がっていると指摘。激しい競争社会によるストレスのなかで、人々が動物をシンプルで心を落ち着かせてくれる存在として捉えているのではないかと分析した。

檀国大学心理学科のイム・ミョンホ教授も、人への愛着と同様に動物にも愛着が形成され、動物から慰めや安らぎを得ることができると説明している。

また、嶺南大学社会学科のホ・チャンドク教授は、普段は接することのできない珍しい動物への好奇心がSNSで共有され、実際に見ようと人々が集まることも人気拡大の要因だと指摘した。

一方、特定の動物への関心を一時的な話題で終わらせず、動物の保護や動物園のあり方など、動物の権利への関心につなげる必要があるとの意見も出ている。

(c)NEWSIS/KOREA WAVE/AFPBB News