北朝鮮兵捕虜移送の公表、ウクライナの「武器支援狙い」か 韓国分析
このニュースをシェア
【9月30日 AFP】ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が北朝鮮兵の捕虜2人を韓国へ移送した事実を公表したことをめぐり、韓国国家情報院は、韓国国内でウクライナへの武器支援に対する世論の支持を高める狙いがあったとみている。韓国の国会議員が30日、明らかにした。
捕虜2人の韓国への移送を公表したことについて、柳栄夏(ユ・ヨンハ)議員は30日、韓国情報機関の分析として、ゼレンスキー氏が「韓国でウクライナに対する武器供給やその他の支援への世論の支持を呼び起こすことを期待して、移送の公表に踏み切った可能性がある」と述べた。
また別の国会議員によると、2人の捕虜は9月中旬にウクライナから韓国に到着したという。情報機関からは、2人の「健康状態は概ね良好で、大きな問題はない。韓国行きに対する強い意志が何度も確認された」との報告があったとしている。
今週初め、韓国外務省は「当事者およびその家族の安全に関わる問題であるため、水面下で非公開にて取り扱うことで(ウクライナ側と)合意していた」と発表していた。
柳議員は、非公表に関する両国首脳間の明確な合意は存在しなかったものの、実務レベルの外交ルート協議において非公表とすることで一致していたと説明。さらに「ウクライナ側は(ロシアとの)今後の捕虜交換への悪影響を懸念し、厳重な情報管理を自ら積極的に要請していた」と付け加えた。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、先週の国連(UN)総会での演説で、同国の捕虜になった北朝鮮兵2人を韓国に引き渡したと明らかにし、2人を「生け捕りにするのは容易ではなかった」と述べていた。
この演説から数時間後、韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領はX(旧ツイッター)への投稿で「ウクライナ側がなぜ合意を破り公表したのか理解に苦しむ。大変遺憾だ」と苦言を呈した。韓国外務省は28日、駐韓ウクライナ大使を呼び出し「重大な懸念」を伝えた。
韓国側は、捕虜の親族が北朝鮮国内で報復を受けるのを防ぐため、非公表とすることが極めて重要だったと主張している。
この公表をめぐる問題は、ウクライナが韓国に求めている兵器供給交渉を複雑化させるリスクがある。
韓国はこれまで、交戦国への軍事支援を禁じる国内法を理由に、ウクライナに対して殺傷能力のある兵器の供与を行っていない。ただし、北朝鮮がロシア支援のため部隊を派兵して以降、防御用兵器の提供要請については検討を進めていた。(c)AFP
