韓国の国立平和統一民主教育院の建物(c)news1
韓国の国立平和統一民主教育院の建物(c)news1

【09月30日 KOREA WAVE】韓国政府が南北統一教育の活性化を目的に補助金を支給している「統一教育研究・中心学校」で、統一教育との関連性が不明確なウィンタースポーツの「リュージュ」体験などに事業予算が使われていたことが分かった。一部の学校では、統一教育に関する年間研究実績が0~1件にとどまるなど、事業運営の実態が問題視されている。

与党「共に民主党」のイ・ジェガン議員が国立平和統一民主教育院から提出を受けた資料によると、釜山のある中学校は2022年に統一教育研究・中心学校に指定され、計1095万ウォン(約117万円)の事業費を使用した。

同校が提出した年間事業実績報告書には、同年7月に全校生徒や統一関連のクラブ活動に参加する生徒らが参加した「統営・巨済島現地体験学習」が記載されていた。

学校側は、釜山近郊で統一に関する文化コンテンツを確認するという目的で、統営市の東ピラン村を見学したほか、同地域を代表する観光施設でリュージュ体験を実施した。

事業費1095万ウォン(約117万円)は全額が国の補助金で賄われ、学校側の負担はなかった。精算報告書には、現地体験学習や講師料、統一関連行事、協議会の経費などに補助金を使用したと記載されていた。

研究成果が乏しい学校の存在も明らかになった。

2022年に研究・中心学校に指定された全羅南道のある高校では、統一教育に関する映像教材を授業で活用した実績がゼロで、関連機関との協力実績もなかった。

2023年には、全羅南道の別の高校が開発した統一教育の授業指導案は、「平和統一Tシャツとバッジ作り」をテーマとする体験活動の1件だけだった。映像教材の活用は2授業時間にとどまり、関連機関との協力実績もなかった。

全羅北道のある高校でも、2024年に開発した授業指導案は「8月15日の解放以降における韓国政府樹立の過程と意義」をテーマとした韓国史の授業1件だけだった。

さらに、2年連続で事業に参加した学校が、ほぼ同じ内容の年間事業実績報告書を提出していた事例も確認された。

ソウルのある小学校が提出した2024年と2025年の報告書を比較したところ、最初のページの内容が99.8%一致していた。両年とも事業費はそれぞれ980万ウォン(約105万円)で、全額が国の補助金だった。

統一教育研究・中心学校は、地域における統一教育の拠点となる学校を育成し、地域社会の教育基盤を整備するための事業だ。

国立平和統一民主教育院が各地域の教育庁に学校の指定を要請し、教育庁が対象校を選定する。教育院は運営計画の策定や指導、補助金、教材などを支援し、研究校が開発した授業モデルを一般の学校へ普及させることも目的としている。

政府が過去5年間に投入した補助金は、2022~2024年が各3億2400万ウォン(約3467万円)、2025年が1億1500万ウォン(約1231万円)、2026年が1億900万ウォン(約1166万円)で、総額12億5800万ウォン(約1億3461万円)に上る。

教育院は毎年、運営計画の策定や補助金の支給、指導、運営状況の点検、独自評価を実施していると説明している。

また、事業の成果として、2025年に「統一が必要だ」と回答した生徒の割合が、研究校では56.3%となり、一般校の53.7%を2.6ポイント上回ったことを挙げた。

イ議員は「統一教育の活性化のために国民の税金を投入しながら、事業の趣旨とかけ離れたプログラムが実施され、一部の学校では研究実績まで乏しいことは問題だ」と指摘した。

その上で、国立平和統一民主教育院に対し、予算の執行から研究成果まで、事業全体の管理・監督体制を再点検するよう求めた。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News