韓国、AI搭載スマートグラスでカンニングや盗撮相次ぐ…性行為の無断撮影事件も
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【09月30日 KOREA WAVE】人工知能(AI)とカメラを搭載したスマートグラスの普及に伴い、韓国で試験中のカンニングや盗撮などの悪用が相次いでいる。しかし、教育現場や捜査機関でも使用を規制する統一的な指針が整っておらず、制度が技術の進歩に追いついていないとの指摘が出ている。
市場調査会社オムディアによると、2025年の世界のAIスマートグラス出荷台数は前年比322%増の870万台。レイバンやオークリーと提携したメタが740万台を出荷し、85.2%のシェアを占めた。世界の出荷台数は2026年に1500万台、2030年には3500万台に達すると予測されている。
韓国ではSKテレコム、KT、LGユープラスの通信大手3社が7月から「レイバン・メタ」を販売。サムスン電子もグーグル、クアルコムと共同開発する次世代製品を2026年中に発売する見通しだ。
普及が進む一方、普通の眼鏡と見分けにくい特徴を悪用した不正が問題となっている。
4月にはソウル大学が主管する英語能力試験TEPSで、AIスマートグラスを着用した20代の受験者が発覚。試験中に何度も眼鏡に触れる様子を不審に思った監督官が試験終了後に確認した結果、AI搭載製品と判明した。
受験者には4年間の受験禁止処分が科された。ただし、現行の不正行為基準にスマートグラスの規定がないため、電子・通信機器を使った不正に関する規定を適用し、刑事告発は見送られた。
5~6月には消防設備技士や情報処理技士などの国家技術資格試験でも計5件の不正が確認された。このうち40代の受験者は略式起訴され、スマートグラスによる試験不正で韓国初の刑事処分対象となった。
TOEICでも5月に2人、6月に1人が摘発された。試験問題をスマートグラスで撮影し、外部と通信していた受験者もいた。2025年の韓国語能力試験でも3人が摘発されていたことが判明した。
盗撮事件も発生している。7月には相手の同意なく性行為をスマートグラスで撮影した男性が立件され、警察の捜査を受けている。航空機内で客室乗務員の特定の身体部位を盗撮した事例や、ガールズグループILLITのマネジャーが空港でファンを識別するために着用し、物議を醸した事例もあった。
海外でも、英国では女性を盗撮した動画をSNSに投稿し、削除と引き換えに金銭を要求する事件が発生。米国やオーストラリアでは、女性の顔や連絡先を無断でインターネットに配信し、被害者に大量の電話やメッセージが届く被害も報告されている。
こうした状況を受け、韓国雇用労働省は国家技術資格試験でスマートグラスの所持や使用を不正行為として扱うため、関連規則の改正を進めている。教育省も全国の教育当局に試験会場への持ち込みを禁止するよう通知。大学修学能力試験(修能)では、不正使用した受験者に最低2年間の受験資格停止を科す案を検討している。
海外でも中国が大学入試で受験者全員の眼鏡検査を義務化し、米国フィラデルフィアの裁判所は法廷への持ち込みを全面禁止。英国の一部施設でも使用を禁じている。
問題は、最近の製品が重さ約50グラムで、普通の眼鏡とほぼ区別できないことだ。撮影を知らせるLEDランプをシールで隠したり、点灯しないよう改造したりする方法も広まっており、目視や金属探知機による検査には限界がある。
オーストラリアのマッコーリー大学のダリ・カファール教授は、法整備の遅れを指摘。「スマートグラスは顔にストーカーを装着しているようなものだ」と述べ、政府による規制とメーカーによる安全対策の強化を求めた。
メタは最近、撮影表示灯が改造された数千台のカメラ機能を永久に無効化した。また、インスタグラム上の盗撮動画や改造技術を宣伝するアカウントを削除・遮断する方針を示した。10月にはカメラを搭載しないAIスマートグラス「ルナ」を発売する予定だ。
(c)MONEYTODAY/KOREA WAVE/AFPBB News