28日、ソウルの韓国プレスセンターで「国民が信頼するAI・デジタル社会に向けた共同宣言」に署名した韓国個人情報保護委員会のソン・ギョンヒ委員長と通信3社のCEO(c)news1
28日、ソウルの韓国プレスセンターで「国民が信頼するAI・デジタル社会に向けた共同宣言」に署名した韓国個人情報保護委員会のソン・ギョンヒ委員長と通信3社のCEO(c)news1

【09月29日 KOREA WAVE】個人情報の流出事故が相次ぐ中、韓国の通信大手3社が個人情報保護を「最優先の経営価値」と位置付けた。最高経営責任者(CEO)と取締役会が直接管理する責任体制を構築し、事故後の対応から、リスクを事前に遮断する予防中心の体制へ転換する。

韓国個人情報保護委員会は28日、ソウルの韓国プレスセンターでSKテレコム、KT、LG U+のCEOと会合を開き、個人情報保護強化に向けた官民協力策を協議した。

3社は「国民が信頼するAI・デジタル社会に向けた共同宣言」を発表。CEOと取締役会を中心とする責任体制を構築し、個人情報保護への投資や専門人材を拡充する。人工知能(AI)サービスの開発・運営にも個人情報保護を組み込み、プライバシー強化技術(PET)の開発にも取り組む。

ソン・ギョンヒ個人情報保護委員長は「事故が起きる前にリスクを把握し、先手を打って対応する予防中心の個人情報保護体制へ転換しなければならない」と述べ、「個人情報保護は担当部署だけの問題ではなく、CEOが直接管理し、会社全体で責任を負う経営の核心課題にならなければならない」と強調した。

SKテレコムは今後5年間で7000億ウォン(約742億円)規模を情報保護に投資する。「プライバシー・ファースト」を全社員の業務原則とし、サービスの企画から開発、運営まで全過程に個人情報保護を取り入れる。

AIサービスでも企画、開発、提供開始、運営の全過程で個人情報やAIに関するリスクを事前に確認・管理するAIガバナンスを運用する。

チョン・ジェホンSKテレコム代表は「個人情報保護はAIイノベーションを妨げる障壁ではなく、AI産業がさらに成長するための信頼のインフラだ」と述べた。

KTは個人情報保護を最優先の経営原則とし、今後5年間でセキュリティーや、その基盤となるITの近代化などに2兆2000億ウォン(約2332億円)を投資する。

専門性と独立性を備えた個人情報保護責任者(CPO)の体制を確立し、代表取締役と取締役会が主要リスクや投資計画を直接点検する。情報セキュリティー・個人情報保護管理体系(ISMS-P)の認証範囲もネットワークやメディアインフラまで拡大する。

パク・ユニョンKT代表は2025年に発生した個人情報流出事故について、「国民と政府に心配をかけたことをKT代表取締役として改めておわびする。同じ事故が繰り返されないよう、再発防止に全力を尽くす」と述べた。

LG U+もCEOや経営陣、CPOが個人情報保護体制を継続的に点検し、予防中心の体制を強化する。投資と専門能力を拡充するとともに、サービスの全過程に個人情報保護を組み込む。

個人情報保護委員会は、通信各社の内部統制に加え、代理店や販売店など流通網への管理・監督を強化するよう求めた。

また、AI産業の拡大に合わせた制度改善についても協議した。2027年3月に施行される個人情報保護法のAI特例をめぐり、業界側からは事前協議の仕組みを整えることや、AI開発で公開情報や仮名情報などを利用する際の適法性の根拠をより明確にするよう求める意見が出た。

個人情報保護委員会はAI特例の実効的な運用方法を整備し、業界の意見を継続的に聴取する方針。AIエージェントによる個人情報処理の特徴を反映した指針も2026年中にまとめるとしている。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News