韓国のIT企業CINTECHが提供するウェブ型QRコード注文サービス「イヤオーダー」のイメージ=同社提供(c)NEWSIS
韓国のIT企業CINTECHが提供するウェブ型QRコード注文サービス「イヤオーダー」のイメージ=同社提供(c)NEWSIS

【09月29日 KOREA WAVE】韓国の飲食業界でQRコードを利用したデジタル注文方式の導入が進むなか、スマートフォンの操作に不慣れな高齢者や障害者などが取り残される問題をめぐり、議論が広がっている。

人件費や運営コストの削減に向けてデジタル注文の導入は避けられないとする飲食店側と、導入に際してデジタル機器の利用が難しい人々への配慮が不足しているとする意見が対立している。

デジタル注文の導入を進める業界関係者は、人件費や原材料価格の上昇が続くなか、店舗経営を維持するためには必要な選択だと主張している。

各テーブルにQRコードを設置すれば、専用の注文端末を導入する費用も節約できる。さらに、ホールスタッフの移動や接客業務を減らすことで、人件費を大幅に削減できるという。

客が自分のスマートフォンでメニューや追加オプションを選び、決済まで完了させるため、混雑時に発生しやすい注文漏れやメニューの取り違えなど、人的ミスを事実上なくせることも利点とされている。

一方、スマートフォンの操作に慣れていない高齢者や障害者などが、飲食店を利用しにくくなっているとの批判も出ている。

カメラアプリを起動し、QRコードを読み取り、ウェブサイトにアクセスしてメニューを選択する一連の操作が、デジタル機器に不慣れな人々にとって大きな障壁となっているためだ。

特に一部の店舗では、QRコードから注文画面にアクセスする際、個人情報の提供への同意や本人確認、専用アプリのインストールまで求められる場合があり、一般の消費者からも不便だとの声が強まっている。

こうした状況を受け、デジタル注文を導入する場合でも、最低限の代替手段を確保する必要があるとの指摘が出ている。

経営上のメリットが大きくても、紙のメニューを併用したり、店員を呼んで直接注文や支払いができる仕組みを残したりするなど、客に選択肢を提供すべきだという意見だ。

また、目先の人件費削減だけを優先し、特定の利用者が店舗を利用しにくくなるような仕組みには限界があるとの見方もある。

長期的には店舗の利用しやすさが損なわれ、ブランドイメージにも悪影響を及ぼす可能性が懸念されている。

さらに、一定規模以上の飲食店に対して対面注文の手段を確保するよう義務付けることや、QRコード注文画面の文字を大きくする機能、操作手順を減らした簡易モードの導入など、具体的な制度面・技術面での対策を求める声も高まっている。

(c)NEWSIS/KOREA WAVE/AFPBB News