クーパン提供(c)KOREA WAVE
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【09月29日 KOREA WAVE】韓国の流通・物流業界で、人工知能(AI)とロボットを組み合わせた「フィジカルAI」の導入が広がっている。従来は指定された場所へ商品を運ぶことが中心だったロボットが、周囲や商品を認識して作業の順番や移動経路を判断し、人が担ってきたピッキングや包装にも使われ始めた。

世界では米アマゾンが物流ロボットの導入を進め、世界各地の物流拠点で100万台以上を運用している。次世代の運搬ロボット「Proteus」は、作業員が日常的な言葉で指示すると、作業の優先順位や移動経路、実行時期を判断するという。2026年6月には、コンテナを持ち上げてカートへ移す協働ロボットシステム「STARK」も公開し、2027年までに欧州15拠点へ展開する計画だ。

メガ・ニュース(MEGA News)のキム・ミナ記者の取材によると、韓国では、電子商取引大手クーパンの物流子会社クーパン・フルフィルメント・サービス(CFS)が、主要物流センターで無人搬送ロボット(AGV)や自律走行型ロボット、包装自動化ロボット、ロボットアームなどを運用している。自動化設備やロボットを運用、保守する専門職も設けており、AIによる自動化に関わる物流現場の技術人材は2025年9月時点で約750人としている。

クーパンはロボット関連企業への投資も進めている。2023年からの3年間で世界のAIスタートアップに8400万ドルを投資し、2025年には韓国のAIロボット企業「Contoro」への1200万ドル規模のシリーズA投資にも参加したという。

ネット通販のカリーはLG CNSと物流センターでのヒューマノイドロボットの実証や物流自動化で協力している。最大規模の平沢物流センターで概念実証(PoC)を進め、今後は金浦や昌原などへの導入可能性も検討する。

CJ大韓通運は京畿道竜仁市のオリーブヤング物流センターにAIヒューマノイドロボット2台を配置した。包装ラインで箱に緩衝材を入れる作業を担当する。ロボットが視覚情報やセンサーを通じて周囲を認識し、作業を判断するためのロボット基盤モデル(RFM)の高度化にも取り組んでいる。

ロッテマートは2026年8月に稼働したオンライン専用物流拠点「ゼータ・スマートセンター釜山」に、最大1000台のロボットと英オカドの統合ソリューションを導入した。注文を受けると、格子状のレールを走るロボットが商品入りの容器をピッキング区域へ運び、ロボットアームが商品の位置を認識して包装工程へ送る。

同センターではAIが季節や天候などを基に需要を予測し、商品の保管場所やピッキング、出荷の順序を調整する。注文される可能性が高い商品を取り出しやすい場所に配置し、ロボットの移動時間を短縮するほか、零下25度の冷凍区域でもロボットが商品を運ぶ。

一方、専門家からは、人型のヒューマノイドがすべての物流作業に適しているわけではないとの指摘も出ている。南ソウル大学のイ・ジョンウ教授は、物流センターではピッキングと包装でフィジカルAIの導入効果が高いとし、規格化しやすい作業からロボットの利用が広がるとの見方を示した。

韓国科学技術院(KAIST)のチャン・ヨンジェ教授は、物流現場ではロボットそのものだけでなく、センサーや通信網、運用システムを連携させる環境が必要だと指摘した。「人を外してその場所にロボットを入れれば、すべてが解決するわけではない」とし、設備間の標準化や相互運用性の確保が必要だと説明した。

チャン氏は、アマゾンが10年以上にわたって物流ロボットを開発してきたのに対し、韓国企業の本格的な投資は比較的遅かったとした上で、ハードウエアは短期間で技術力を高めることが難しく、長期的な投資が必要だと指摘した。一方、フィジカルAIではAIモデルだけでなく、ハードウエアや現場運営の経験も競争力を左右するとし、製造基盤と物流運営のノウハウを持つ韓国企業にも競争の余地があるとの見方を示した。

(c)KOREA WAVE/AFPBB News