SKテレコムで「A.電話」を担当するチョ・ヒョンドク氏=SKテレコム提供(c)news1
SKテレコムで「A.電話」を担当するチョ・ヒョンドク氏=SKテレコム提供(c)news1

【09月28日 KOREA WAVE】「通信会社として最も得意とする電話で人工知能(AI)を実現しようとしています。ローミングサービスから『A.電話』まで運営してきたSKテレコムが最も力を発揮できる分野だと考えています」

韓国SKテレコムで「A.電話」を担当するチョ・ヒョンドク氏は22日、ソウル市中区のSKTタワーで、10月にベータ版を公開する「みんなのAI」の特徴として「電話」を挙げた。別のアプリをインストールしたり、新たな操作方法を覚えたりしなくても、使い慣れた電話やSMSで誰もがAIを利用できるようにする構想だ。

「みんなのAI」は、独自のAI基盤モデルを活用し、日常生活で利用できるAIサービスを開発する事業だ。SKテレコムのコンソーシアムは、利用者の質問に答えるだけでなく、計画の立案から実行、結果の確認までを担う「実行型AI」を目指している。

SKテレコムがAIとの主要な接点として注目したのが電話とSMSだ。チョ氏は「これまでの電話やSMSが人と人をつなぐことを重視していたとすれば、AI時代には顧客を理解し、依頼された仕事を実際に実行して完結させる手段へと電話を再定義している」と説明した。

電話やSMSなら、AIアプリの利用に慣れていない高齢者やデジタル機器の利用が難しい人にもAIを広げられるとみている。「A.電話」のアクティブユーザーは1000万人を超えているが、同社はアプリだけでは利用者拡大に限界があると判断した。

まず実現を目指すのは、AIが利用者に代わって人に電話をかけ、会話して必要な用件を処理するサービスだ。将来的には人が介在せず、AIエージェント同士が直接通話する仕組みも想定している。

着信に代わって応答するだけでなく、AIが必要なタイミングを判断して利用者に電話をかけ、用件を処理することも目指す。例えば、高齢の親が病院を予約したことを本人も家族も忘れていた場合、AIが電話で受診予定を知らせ、必要なタクシーまで予約するという。

病院や交通手段の検索・予約だけでなく、決済までつなげる構想もある。コンソーシアムには新韓カードとハナカードが参加しており、列車の切符などを検索から予約、決済までAIが処理することを目指す。ただ、具体的な決済方法や導入時期は決まっていない。

電話AIの技術的な課題の一つは、人同士の通話のような自然な会話を実現することだ。相手が話し終えたタイミングを素早く判断して音声を文字に変換し、AIが文脈を把握して回答を作り、再び音声で伝えるまでの時間を短縮する必要がある。

SKテレコムは、相手が話し始めたり話し終えたりするタイミングを検知する音声活動検出(VAD)技術などを高度化している。AIの応答時間は約1~1.5秒を目標としており、チョ氏は「2秒を超えると利用者が会話の流れに不便を感じる可能性がある」と説明した。

雑音やエコー、利用者とAIが同時に話すケースなどへの対応も必要になる。同社は通話品質の評価指標「MOS」で、AIエージェントによる通話でも5点満点中4点以上を確保する設計を進めている。

10月のベータサービスでは、AIが利用者に代わって電話をかけたり受けたりする機能を試験的に提供する。12月には両機能の完成度を高め、一般利用者向けサービスとして提供することを目指す。

長期的には電話やSMSだけでなく、アプリやウェブとも連携させる。チョ氏は「電話とSMSはAIを使うための手段にすぎない。最終的にはアプリ、ウェブ、電話、SMSなど、あらゆる経路でAIを利用できるようにすることが目標だ」と語った。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News