韓国の秋夕を変える「LEO経済」…低軌道衛星で宅配・帰省・災害対応に変化
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【09月27日 KOREA WAVE】秋夕直前に注文した贈答品がその日のうちに地方の実家へ届き、山中で携帯電話の電波が届かなくても衛星経由で救助を求める――。低軌道衛星を活用した「LEO経済(LEOnomics)」が現実味を帯び、韓国の名節の風景も変わる可能性がある。
高度約300~1500キロの低軌道(LEO)に多数の衛星を配置すれば、地上通信網が届きにくい海や山間部なども接続できる。物流センターや配送車、ドローン、配送ロボットを衛星網で結び、AIが注文量や車両位置、渋滞、天候から最適な配送経路を判断する仕組みも想定される。船の遅延や道路規制に応じて経路を変更できれば、地域ごとに設けられている名節の宅配受付期限の意味も変わる可能性がある。
山中での事故にも活用できる。一般のスマートフォンが衛星と直接通信する「Direct to Cell」なら、地上基地局の電波が届かない場所でも位置情報や簡単な救助信号を送れる。帰省時の山道などでも、衛星が地上通信網を補完するハイブリッド通信網として機能する。
遠洋漁船の乗組員や海外・山間部の勤務者も、衛星通信で家族とビデオ通話ができる。船舶の位置や気象、エンジン状態などのデータを陸上の管制センターへリアルタイムで送ることも可能だ。農漁村や島では、衛星網が基地局とインターネット網を結ぶバックホールとしてIoTデータを運ぶことも想定される。
災害時の通信手段としても期待されている。台風や集中豪雨で地上基地局が浸水したり停電したりしても、衛星網を利用して救助信号や位置情報を送信できる。衛星画像を使えば、道路や山間部で事故、土砂災害などが発生した際に被災地域を確認することもできる。
韓国では10月7日に予定されているヌリ号の5回目の打ち上げで、超小型衛星コンステレーション5基とキューブサット10基の計15基を搭載する。複数の衛星で朝鮮半島を繰り返し観測し、災害や山火事、土砂災害、洪水などの監視に活用できるという。
低軌道衛星をめぐる市場も拡大している。市場調査会社マーケッツアンドマーケッツは、世界の低軌道衛星市場が2024年の126億ドルから2029年には232億ドルに成長すると予測している。
市場は衛星製造だけでなく、衛星間レーザー通信、オンボードAI・コンピューティング、宇宙用半導体、電気推進機、耐ジャミング通信、量子暗号、宇宙交通管理(STM)などにも広がっている。スペースXはスターリンクで衛星の大量生産、再使用型ロケットによる高頻度の打ち上げ、衛星群の運用を組み合わせて規模の経済を追求している。
韓国も低軌道通信衛星など次世代宇宙通信技術の確保を進めており、ハンファ・エアロスペースなど民間企業のロケット事業への参加も拡大している。業界関係者は、LEO経済時代の競争力について「衛星を作る技術だけでなく、どれだけ速く製造し、打ち上げ、接続し、データをサービスに変えられるかにかかっている」と指摘した。
(c)MONEYTODAY/KOREA WAVE/AFPBB News