【9月24日 AFP】フランスの極右政党「国民連合(RN)」のジャン・フィリップ・タンギー国民議会(下院)議員(40)は23日、集会での演説でナチス・ドイツのスローガン「働けば自由になる(Arbeit macht frei、アルバイト・マハト・フライ)」を繰り返し用いたことについて、「やましいことは一切ない」と強調した。

タンギー議員は先週末、中部ビエルゾンでの集会で、アウシュビッツ・ビルケナウ強制収容所の門などに掲げられていたことで悪名高いスローガン「働けば自由になる」のフランス語訳「Le travail rend libre」を演説で使用した。

この発言を切り取ったショート動画がSNS上で拡散された。

国民連合の期待の星で、メディアへの露出も多いタンギー議員はラジオ局ヨーロッパ1のインタビューでこの発言について、文脈を無視して切り取られたものだと説明。

「十分な給料を得て住宅を確保する経済的手段があれば、個人は文字通り(経済的に)自分を解放し、自由を獲得できるという趣旨の演説だった」と述べた。

言葉の選択を後悔しているかと問われると、タンギー氏は「あらゆる言いがかりに対して謝罪するつもりはない」と回答する一方、「やましいことは一切ないが、気分を害した人がいるかもしれないという理由から」、痛ましい家族の歴史を持つ人々や反ユダヤ主義の被害者らに対しては謝罪した。

タンギー氏は「ナチスの蛮行によって悲劇的にも深く傷つけられた個人や家族の苦しみと痛みを尊重する」と付け加えた。

国民連合の指導者マリーヌ・ルペン前党首は近年、党を政権担当可能な政党へと脱皮させ、反ユダヤ主義的発言や第2次世界大戦中のナチスによるフランス占領を軽視する発言を繰り返した父ジャンマリ・ルペン氏の負の遺産から距離を置くため、国民連合の「脱悪魔化」に精力的に取り組んでいる。

2027年フランス大統領選の世論調査によると、ルペン氏は第1回投票で2位以下に大差をつけて首位に立つが、決選投票で接戦となる可能性がある。

国民連合のルイ・アリオ副党首は国営テレビ・フランス2に対し、問題の動画について文脈を無視して切り取られたものだとの認識を示し、タンギー氏を「批判すべき点は何もない」と擁護した。(c)AFP