韓国・ソウル市瑞草区にある大検察庁(c)MONEYTODAY
韓国・ソウル市瑞草区にある大検察庁(c)MONEYTODAY

【09月24日 KOREA WAVE】韓国で10月2日に予定される刑事司法制度の改革を前に、政府機関などで法律相談を担う派遣検事を維持するかどうかが議論となっている。捜査と直接関係しない業務は弁護士などで代替できるとの意見がある一方、専門性や人材確保のための待遇が課題として挙げられている。

法曹界関係者によると、各機関への検事派遣が長く続いてきた背景には、検事の事件処理経験に加え、機関間の連携に活用できる利点がある。公正取引委員会では、派遣検事が告発事件に関する法律相談や課徴金減免制度などをめぐり、検察との連絡役を担っているという。

機関に常駐し、必要な時にすぐ法律相談を受けられることも利点とされる。各機関にとっては、経験のある法律専門家を別途募集、採用する負担を減らせる。

一方、一部の派遣検事については、その分野の経験がある弁護士や別の人材で代替できるとの意見もある。法曹界関係者は、重要なのは現職検事という身分ではなく、業務に適した専門性だと指摘。機関内の法務担当者による分担や、経験のある弁護士の採用、外部への法律相談なども選択肢に挙げた。

実際、ソウル市は2020年、法律事務所で勤務していた弁護士を、市の訴訟業務や主要政策の法律相談を統括する担当者に任用した。

ただ、派遣検事に匹敵する専門性を持つ弁護士を確保できるかを疑問視する声もある。法曹関係者は、専門性のある弁護士なら代替可能だが、そのような人材が各機関の提示する待遇や勤務条件で応募するかは別の問題だと説明した。

検事の代わりに、重大犯罪捜査庁の捜査官を法律相談が必要な機関へ派遣する案も選択肢として挙がっている。重大犯罪捜査庁は各機関への派遣を念頭に、人員の派遣状況を確認したとされる。

一方、制度改革を機に派遣検事を復帰させ、公訴庁の業務を補強すべきだとの意見もある。2017年には国会法制司法委員会で、外部派遣を最小限にして公判を担当する検事を増やすべきだとの指摘が出た。2018年には法務省傘下の法務・検察改革委員会が、特別な理由なく機関トップの法律顧問だけを担う派遣を中止するよう勧告した。

2019年10月には、当時のユン・ソンニョル(尹錫悦)検事総長が外部機関への派遣検事を全員復帰させ、刑事部と公判部に配置する案を提示した。ムン・ジェイン(文在寅)大統領(当時)が検察改革案をまとめるよう求めた翌日のことだった。同年、法務省は派遣の必要性を審査する委員会を設ける指針も策定した。

ただ、派遣を受ける機関側には制度の維持を求める声もある。金融当局関係者は、刑事処罰に向けた手続きを進める過程で派遣検事の助言が役立ったケースが多かったと説明。雇用労働省も、派遣検事が捜査結果の報告書や手続きを確認し、労働監督官の教育も担当しているとした。

公正取引委員会も、法律相談や検察との連絡窓口として派遣検事が必要だとの立場を示している。一方で、各機関の業務に役立っていることと、現職検事を派遣し続けるべきかどうかは分けて考える必要があるとの意見もあり、事件処理に必要な人員と各機関の法律支援の需要を踏まえた検討が求められている。

(c)MONEYTODAY/KOREA WAVE/AFPBB News