■八方美人になって失敗

2010年代から2020年代前半にかけて、民主党は「社会正義」の課題に熱心に取り組み、支持者を結集させるとともに、全米での同性婚合法化などで大きな政治的勝利を収めてきた。

だが、トランスジェンダー問題で激しい抵抗に遭って行き詰まった。

長年にわたる啓発活動も米国民の意識をほとんど変えることはできなかっただけでなく、さまざまな問題発言を残し、共和党側の広告制作者たちに利用される結果に終わった。

無党派の調査機関ピュー・リサーチ・センターが2025年に実施した世論調査によると、米国の成人の73%が「トランスジェンダーの選手が出生時の性別と異なるスポーツチームで競技することに対して違和感や不快感を抱いている」と回答した。また66%が、トランスジェンダー選手に対し出生時の性別に対応するチームでの出場を義務付ける法律や政策を支持した。

共和党のスタッフから民主党の顧問に転身したカート・バーデラ氏はAFPに対し、「民主党は自分自身の影にさえおびえるという、典型的な過ちに陥ってしまった」と指摘。

「八方美人になって全員を喜ばせようとした結果、実際には米国民の大多数を離反させてしまった」と付け加えた。

退役軍人で共和党の戦略家を務めるダグ・ハイ氏はAFPに対し、民主党は「自分たちがこの種の問題でどれほど多くの人々に不快な思いをさせているかが見えなくなっている」「世論調査を見れば、この問題は全体的に共和党にかなり有利で、だからこそ彼らはこれほど積極的に追及してきた」と指摘した。