【9月22日 AFP】南アフリカのダチョウ農場で、大手高級ファッションブランド向けに生きているダチョウから機械を使って羽毛を採取する手法が用いられており、極めて残酷で苦痛を伴っていると、動物愛護団体「世界動物保護協会(WAP)」が21日、明らかにした。

同団体は、非営利団体「コレクティブ・ファッション・ジャスティス」と共同で実施した調査で、作業員らがダチョウを追い詰めて頭に袋をかぶせ、鎮痛剤を投与することなく羽根をカットしたり抜き取ったりしている様子が記録されたと発表した。

南アフリカの商業ダチョウ農場や羽毛処理施設における実態を検証した報告書「ブラッド・フェザーズ(血の羽毛)」の一部として映像が公開された。

南アフリカは、世界のダチョウ市場の約75%を占めており、肉や皮革、羽毛を生産している。

調査によると、南アフリカの農場や羽毛処理施設は、サンローラン、ルイ・ヴィトン、ディオール、シャネルといった高級ブランドのほか、ファストファッションのシーインにも羽毛を供給しているという。

また一部の農場では、成長途中の血が通っている部分(ブラッドライン)より上で羽根がカットされていたが、その後に皮膚に残った部分をペンチで引き抜く作業が行われていた。個体によっては、この作業が6か月ごとに繰り返されていた。

羽根の軸には血液が付着していることが多く、これが「ブラッド・フェザー(血の羽毛)」という言葉の由来となっている。

同団体は「一見すると、生きたまま羽根をむしり取る作業の代替手段のようにも見えるが、今回の調査では、このプロセスがダチョウにとって極めて大きな精神的ストレスを与えていることを示す証拠が明らかになった」と指摘した。

また調査では、立つことができない個体や、お互いの目や羽毛を突くことで生じた傷を負った個体など、負傷した個体も確認されたという。

■残酷さは毛皮と同じ

WAPのオリビア・チャールトン氏は声明で「羽毛は新たな毛皮だ。動物が異なるだけで、残酷さはまったく変わらない」と指摘。「ペンチで鳥の羽根を抜き取ることに自然な点など一つもない。ファッション界は現実から目を背けるのをやめるべきだ」と訴えた。

また、コレクティブ・ファッション・ジャスティスの創設者兼代表、エマ・ハカンソン氏も、ファッションブランドが毛皮を拒否する一方で、「苦痛に満ちた食肉・皮革産業から供給されるダチョウの羽毛を受け入れるのは全く矛盾している」と述べた。

さらに「消費者が羽毛に対して抱く軽やかさやボリューム感、動きを再現できる革新的な生地加工技術やバイオ素材が豊富にある以上、このような残酷さを正当化する理由はない」と強調した。

WAPによると、今回の調査結果は、ファッション業界で使用されるダチョウの羽毛が、単に自然な換羽期に拾い集められたものだとする主張に疑問を投げかけるものとなっている。

南アフリカでは1900年代初頭、ダチョウの羽毛は金、ダイヤモンド、羊毛に次ぐ同国第4位の輸出品であり、ファッション界での羽毛需要の高まりが20世紀初頭のブームを後押しした。(c)AFP/Hillary ORINDE