韓国金融市場で「株式のトークン化」へ…STO制度整備が開く新たな取引の形 [韓国記者コラム]
このニュースをシェア
【09月22日 KOREA WAVE】子どものころに想像した21世紀には、空飛ぶ車や家事をしてくれるロボットがあった。しかし、21世紀に入って四半世紀以上が過ぎた今も、そうした技術は未来技術の展示会や限られた実験の場で試されている。
一方、当時は予想もしなかった未来が現実になった。人々は手のひらほどの端末一つで道を探し、買い物をし、仕事までこなす。SF映画ほど劇的ではないものの、新たな技術は日常に溶け込み、生活の風景を変えてきた。
未来がどのような姿で訪れるかを正確に予測することは難しい。ただ、新技術が現実社会で活用されるには、それを支える制度が必要になる。車が走るために道路が必要なように、技術にも制度という基盤が欠かせない。
そうした中、韓国金融委員会が最近、トークン証券(STO、株式や債券などの権利をデジタル上の「トークン」と呼ばれる電子データで表した証券)政策を打ち出した。STOを実現するための制度整備が進み始めた形だ。
株式取引の方法も、技術と制度の発展に伴って変化してきた。数十年前まで、投資家は証券会社を訪れ、注文票に銘柄や価格を書いて株式を売買していた。約定価格も人が掲示板に書いては消す作業を繰り返していた。
1997年に株式売買システムが完全に電子化されると、取引方法は大きく変わった。オンライン技術との融合でホームトレーディングシステム(HTS)が普及し、現在ではスマートフォンを数回操作するだけで株式を売買できる。
STOは株式や債券、ファンドをトークン化し、資金も同じデジタル基盤上で動かす仕組みだ。トークン化が広がれば、海外株式を希望する時間に取引したり、株式を売却してから代金を受け取るまで数日間待つ必要がなくなったりする可能性がある。
STOの意味は、韓牛や美術品を小口化して販売する商品が増えることだけではない。現在は別々に存在する韓国内外の株式、債券、ファンド、資金が、同じデジタル基盤上で動き始めることに大きな可能性がある。
証券業界でも、どのような商品が登場し、トークン化された株式と資金がどこまでつながるのかは、まだ予測が難しい。今は名前すらない新たな金融商品やサービスが登場する可能性もある。
数十年後には、2026年の金融市場を振り返り、「当時は株式を決められた時間にしか取引できず、株式と資金の受け渡しに数日もかかっていたのか」と語られる時代が来るかもしれない。
空飛ぶ車はまだ実現していないが、株式がトークンになる未来は、韓国で制度整備とともに動き始めている。 【news1 ソン・オムジ記者】
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News