韓国最高裁判事、司法AI導入で「最終判断は人間がすべきだ」…2028年まで機能拡大
このニュースをシェア
【09月21日 KOREA WAVE】韓国最高裁の司法人工知能(AI)委員長を務め、政策策定に携わってきたイ・スクヨン最高裁判事が、司法でのAI活用について「AIはあくまで補助的な役割にとどまるべきだ」と強調した。司法の独立を守るため、最終的な判断は人間の裁判官が担うべきだとの考えを示した。
イ・スクヨン氏は17日、ソウル市龍山区のグランドハイアットソウルで開かれた第20回アジア・太平洋最高裁判所長官会議の「司法および法曹界におけるAI活用」セッションで講演した。
「韓国司法の人工知能、理論から実践へ」をテーマに、「AIはすでに法律実務や司法に欠かせない道具として定着しており、この変化は後戻りできない流れになっている」と説明した。
司法AI委員会は「人間中心のAIで実現する正義」を掲げ、裁判官や職員へのAI教育、司法専用AIサンドボックスの構築、社会的弱者の司法アクセス向上などを優先課題とするロードマップを策定している。
最高裁が独自に開発し、裁判官や職員が判例の検索や分析に利用する「裁判支援AIシステム」についても紹介した。現在は1日2000件以上の照会を処理し、利用者からの意見を反映しながら改善を続けているという。
2028年までには、判決文や訴訟資料の要約、争点の特定、事件検討報告書の作成支援などへ機能を拡大する予定だ。
イ・スクヨン氏はAIを活用した将来の法廷の姿も示した。裁判官が毎朝、前日に割り当てられた事件について、AIが事実関係や当事者の主張を整理した報告書を受け取る。AIが主張と証拠を関連付け、記録の確認や関連判例の分析を支援し、法廷ではAI音声認識技術が弁論や尋問を記録するという構想だ。
一方、AIが事実と異なる内容を生成する「ハルシネーション」などの問題にも言及。「司法業務の再設計は、公平性、正確性、信頼性、司法の独立という決して妥協できない原則の上に成り立たなければならない」と強調した。
さらに「韓国憲法は裁判官による裁判を受ける権利を保障している。過去のデータで学習したAIが、現在の紛争を解決するために必要な人間の判断に取って代わることはできない」と述べた。
その一方で、国民は紛争の迅速で正確な解決を求めており、リスクや限界を理由に技術の発展を遅らせることもできないとして、AIはこうした期待に応える手段の一つになり得るとの考えを示した。
今回の会議には、1985年の創設以来最多となる40カ国の司法機関が参加し、初めて13の国際機関の関係者も出席した。司法でのAI活用と倫理原則を巡る宣言が採択される可能性も取り沙汰されている。
(c)NEWSIS/KOREA WAVE/AFPBB News