収穫したニンニクを出荷する農家=義城郡提供、2026年9月15日(c)news1
収穫したニンニクを出荷する農家=義城郡提供、2026年9月15日(c)news1

【09月20日 KOREA WAVE】韓国最大の寒地型ニンニク産地である慶尚北道義城郡で、特産品のニンニクを栽培する農家が13年間で60%以上減少した。義城郡は帰農者の誘致で全国トップクラスの実績を上げ、機械化やスマート農業に多額の予算を投入しているが、生産を担う農家と農地は急速に減っている。

義城郡や郡議会などによると、寒地型ニンニクの栽培農家は2013年の3556戸から2026年には1271戸となり、2285戸(64.3%)減少した。栽培面積も同じ期間に1549ヘクタールから651ヘクタールへ898ヘクタール(58%)減り、生産基盤が大幅に縮小した。

義城郡は2020~2023年の4年連続で帰農者誘致が全国1位となるなど、代表的な帰農地域として知られる。しかし、流入した人々が地域を代表する農産物の後継農家には十分につながっていない。

ニンニク農家減少の背景には、高齢化や人手不足、人件費・農業資材価格の上昇、不安定な価格などが挙げられている。ニンニクは植え付けから収穫、乾燥、選別まで多くの人手が必要だが、農村人口の減少で外部の労働力への依存度が高まっている。

収穫期の人手や共同乾燥施設が不足しているため、畑に植わった状態のまま商人に売り渡す農家もある。この場合、農家が価格決定権を持ちにくく、安定した販路の確保も難しいとの指摘が出ている。

オ・ホヨル義城郡議員は最近、郡政に関する質問でこうした問題を指摘し、契約栽培や全量買い取りの拡大、安定した販売・流通網の構築、ニンニク流通専門組織の設立などを求めた。

義城郡は2000年代半ばからニンニク産業に大規模な予算を投入してきた。2005年には133億ウォン(約13億3000万円)規模のブランド化事業を始め、ニンニク産業流通特区や総合施設の整備を進めた。2023~2025年には245億ウォン(約24億5000万円)規模の露地スマート農業実証事業を実施した。

2024~2025年には22億ウォン(約2億2000万円)を投じ、7つの生産者組織にニンニク専用農業機械160台を長期貸与。2026年から2028年までは95億ウォン(約9億5000万円)規模の露地スマート農業育成地区事業も進めている。

機械化やスマート農業によって労働力や生産費を減らす効果は出ているものの、農家の減少には歯止めがかかっていない。20年前にも農家の高齢化や高い生産費、小規模経営、出荷の集中、乾燥施設不足などが課題とされており、現在の人手や価格、流通を巡る問題と大きく変わっていない。

義城郡は最近、ニンニクの加工・流通や企業との連携を拡大し、世界市場で認められる「Kニンニク」として育成する構想を打ち出した。

地域の農業関係者からは、義城ニンニクを海外に広めるだけでなく、帰農者誘致の成果を後継農家の確保につなげる必要があるとの指摘が出ている。高齢農家の農地や栽培技術を帰農者や若手農家に引き継ぎ、契約栽培や買い取り、乾燥・貯蔵施設、販路を一体的に支援する方法が提案されている。

70代のニンニク農家は「機械が導入されるのもいいが、農業をして適正な価格を得られなければ、若い人に継いでほしいとは言えない。義城ニンニクを世界に広めることも重要だが、まず義城でニンニクを作る人がいなければならない」と話した。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News