ソウル北部地裁は、男性2人を殺害し4人にけがをさせたキム・ソヨン(金素英)被告に無期懲役を言い渡した=本人のSNS、ソウル北部地検(c)NEWSIS
ソウル北部地裁は、男性2人を殺害し4人にけがをさせたキム・ソヨン(金素英)被告に無期懲役を言い渡した=本人のSNS、ソウル北部地検(c)NEWSIS

【09月19日 KOREA WAVE】韓国で、薬物を混ぜた飲料を男性らに飲ませ、2人を殺害し4人にけがをさせた20代のキム・ソヨン被告が、犯行の過程で人工知能(AI)と会話し、死亡する危険性を事前に認識していたことが明らかになった。

弁護士のソン・スホ氏はCBSラジオに出演し、事件の一審判決文をもとに犯行の詳細を説明した。ソウル北部地裁は、被告に無期懲役を言い渡した。108ページに及ぶ判決文のうち、約20ページが被告とAIの会話記録だったという。

被告は2025年8月から、性暴力被害によるトラウマ治療を理由に、病院から睡眠薬成分を含む薬を1000錠以上処方され、保管していた。しかし、被告の毛髪12センチからは、その薬物の成分が検出されなかった。

被告は薬を粉末にして飲料に混ぜ、モーテルや車など閉鎖された空間で男性らに飲ませた。被害者が意識を失った時間は8時間、16時間、32時間と次第に長くなった。

ソン弁護士は「被告は薬物の投与量や使用方法を変えながら被害者の状態を確認した」と説明。裁判所も「一種の人体実験とみる余地がある」と判断したという。

犯行の過程では、AIのチャットサービスに睡眠薬を過剰摂取した場合の影響や、酒と一緒に飲んだ人が倒れて死亡した場合にどうなるのかなど、具体的な危険性を繰り返し尋ねていた。

AIは、酒と一緒に摂取すると死亡する可能性があるとして、直ちに救急通報するよう警告した。しかし、被告は通報せず、似た質問を繰り返した。AIが過失致死の刑罰について説明すると、「過失とはどういう意味か」と尋ねたこともあった。

被告は別の被害者をモーテルに誘い、チキンを注文させた後、薬物で意識を失わせ、チキンを自宅へ持ち帰った。翌日には被害者を脅してタクシー代を受け取ったという。また、意識を失った別の被害者の指紋で携帯電話のロックを解除し、自分の口座へ送金した。

被告側は裁判で、性犯罪から身を守るため男性らを眠らせようとしただけだと主張。AIとの会話については「何を尋ねたのか全く覚えていない」と述べた。

しかし裁判所は、被告が提出した意見書で、被害者らと飲んだ酒の種類や食べ物、細かな会話まで具体的に記憶していたことから、AIとの会話だけを覚えていないとの供述は信用できないと判断した。

検察の臨床心理分析では、被告の知能指数(IQ)は74で下位4%の水準だった一方、サイコパス判定検査では基準となる25点だった。ソン弁護士は、被告について「他人を自分が望むものを得るための手段としてのみ捉え、被害者への共感能力が全くなかった」と説明した。

裁判所は、被告が未必の故意を持って計画的に連続殺人に及んだと判断した。検察と被告側の双方が一審判決を不服として控訴しており、控訴審で改めて争われる。

(c)NEWSIS/KOREA WAVE/AFPBB News