【9月18日 AFP】米半導体大手マイクロン・テクノロジーの台湾工場で働く従業員数百人が17日、集会を開き、会社側が提示した月給の最大68か月分のボーナスを不十分だとして拒否した。

マイクロンをはじめとする世界的な半導体大手は、人工知能(AI)技術に対する需要拡大の大きな恩恵を受けているが、業績が急上昇する中、多くの従業員が自分たちにもっと利益を分配するよう求めている。

半導体の50~60%を台湾で生産するマイクロンは、桃園および台中の工場に勤務する従業員約1万5000人のうち、約1万2000人を代表する二つの労働組合との間で報酬をめぐる労使交渉を続けている。

同社は先週、2026会計年度の台湾従業員への総報酬として「最低170万台湾元(約830万円)の現金支給を含む、月給の35~68か月分に相当する報酬パッケージ」を支給すると発表した。

だが、桃園工場の向かいにあるバスケットボールコートで集会を開いた従業員らは、同パッケージでは不足していると訴えた。

仕事の後に労組の集会に参加した林さん(女性)はAFPの取材に対し、「これは私たちが当然受け取るべき報酬だと感じている。自分たちのためだけでなく、台湾のすべての労働者のために立ち上がらなければならない」と訴えた。

労組側は、9月初旬から行われている労使交渉が決裂した場合、ストライキを決行すると表明している。

労組側は、月給83か月分のボーナス支給に加え、同社の営業利益の15%を四半期ごとに従業員に分配する永続的な利益還元制度の確立を要求している。

40代のエンジニア蔡さんはAFPに対し、近年マイクロンの利益が急増していることを考慮すると、会社側の提示額は「期待外れだ」とコメント。

「公正かつ合法的な手段を用いて労組を通じて交渉し、私たちが当然受け取るべきボーナスを獲得することを望んでいる」と付け加えた。

またマイクロンの従業員らは、自社のボーナス水準がライバルである韓国のSKハイニックスやサムスン電子と比較して著しく低いと感じている。

■「時間との戦い」

49歳のエンジニア、呉さんは「マイクロンは競合他社がどのように従業員を遇しているかを見るべきだ」「そうすることで初めて、マイクロンは競争力を高め、より多くの優秀な人材を引きつけることができる」と述べた。

マイクロン労組の要求は、サムスン電子が半導体部門の従業員に対し営業利益の10.5%を財源とするボーナス制度を新設することで合意し、ストライキを回避したことを受けたものだ。

AIデータセンターで使用される半導体(特に深刻な供給不足に陥っているメモリーチップ)に対する莫大(ばくだい)な需要は、設計、生産、組み立てを手がける企業の売上高を急上昇させている。

市場調査会社カウンターポイント・リサーチの共同創業者ニール・シャー氏はAFPの取材に対し、マイクロンはメモリーチップの市場シェアをめぐり、韓国のサムスンおよびSKハイニックスとの「時間との戦い」を展開していると指摘。

「現在は供給能力が制約となっているため、最も多くの生産能力を持つ企業が最大のシェアを獲得することになる」と述べ、マイクロン台湾工場の従業員は同社が勢いを維持する上で「極めて重要」な存在だと説明した。

シャー氏は、特に「サムスンが業界のスタンダードを確立した」現状において、「マイクロンは解決策を見つけなければならないだろう」と分析した。(c)AFP