【9月25日 東方新報】中国・山東省(Shandong)済南市(Jinan)にある趵突泉(ほうとつせん)は、地下水が勢いよく湧き出すことで知られる中国有数の名泉で、「天下第一泉」とも称される。9月6日の地下水位は29.59メートルとなり、三つの泉眼から勢いよく水が湧き出した。池の周辺には、「趵突騰空」と呼ばれる迫力ある湧水の光景を一目見ようと、多くの観光客が集まった。2003年9月6日に湧水が復活して以来、今年で23年間にわたって湧き続けている。

特にこの1年間は、趵突泉の水位が珍しく安定して高い状態を保っている。2025年9月7日に地下水位が29.01メートルに達して以降、高水位で推移し、29メートルを下回ったのは2026年6月28日の1日だけだった。この日には28.98メートルまで低下したものの、夜間の降雨によって翌日には29.02メートルまで回復した。高水位での湧出が続いた期間としては、2003年の湧水復活以降で最長となった。

趵突泉にとって、水位がこれほど安定しているのは珍しい。通常、毎年10月から翌年6月までは渇水期に当たり、水位は季節的に低下し、翌年の雨期を迎える前に年間最低水位に達する。そのため、渇水期には警戒水位を下回ることも懸念されてきた。

地下水位29メートルは、済南の泉にとって重要な「黄金ライン」でもある。この水位を上回ると、「七十二名泉」の中でも特に高い水位を必要とする月牙泉から水が湧き出し、「月牙飛瀑」と呼ばれる景観が現れる。これは済南の主要な泉が一斉に勢いを増す目安ともされている。

「月牙飛瀑」「趵突騰空」「黒虎嘯月」は、済南を代表する三大動態水景として知られる。現在、この三つの景観を同時に見ることができる。済南は古くから「泉城」と呼ばれ、趵突泉は「七十二名泉」の筆頭に位置づけられている。その水位は、中国北部の気候や水文環境を示す一つの指標としても注目されてきた。

趵突泉が23年間にわたって湧き続けている背景には、近年の豊富な降水に加え、済南市が長期にわたって進めてきた泉の保全対策がある。地下水の採取禁止・制限を厳格に実施するほか、水源の転換や、地下への水の浸透が活発な地域の生態修復など、複数の対策によって安定した湧水を支えている。

近年、済南市は泉を都市の観光・文化資源として活用し、一日を通じてさまざまな場所で楽しめる観光体験の整備を進めている。泉をテーマにした文化・クリエーティブ商品や、泉の水で入れた茶を楽しむ体験なども登場し、泉は自然景観にとどまらず、観光客が実際に体験し、楽しめる都市文化の一つとなっている。(c)東方新報/AFPBB News