対北朝鮮賠償請求で韓国政府が初勝訴…先例確立も李在明政権は「対話優先」、強制措置とらず
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【09月17日 KOREA WAVE】韓国政府が北朝鮮を相手に起こした初の損害賠償訴訟で、南北共同連絡事務所の爆破について北朝鮮の賠償責任を認める判決が出た。今回の判決を踏まえ、北朝鮮が撤去した金剛山の離散家族面会所など、ほかの政府資産を巡る法的対応にも注目が集まっている。
ソウル中央地裁は16日、韓国政府が北朝鮮を相手取った損害賠償請求訴訟で、北朝鮮に約446億2641万ウォン(約44億6264万円)と遅延損害金の支払いを命じた。政府の請求額を全額認めた。
賠償額は南北共同連絡事務所の建物と改修費約101億7000万ウォン(約10億1700万円)と、爆破時にともに被害を受けた開城工業団地総合支援センターの約344億5000万ウォン(約34億4500万円)を合わせたもの。裁判所は爆破当日の2020年6月16日から2025年2月7日までは年5%、翌日から完済までは年12%の遅延損害金も支払うよう命じた。
韓国政府が北朝鮮当局を直接相手取って損害賠償を請求し、勝訴したのはいずれも初めて。裁判所が連絡事務所の爆破を韓国政府の財産権を侵害する不法行為と認定し、民事上の賠償責任を認めた形だ。
2023年6月、ユン・ソンニョル(尹錫悦)政権(当時)は損害賠償請求権の消滅時効を防ぎ、国の債権を保全するため提訴した。韓国統一省は今回の勝訴により、国の債権保全という訴訟の主な目的は達成されたとみている。
政府は請求額が全額認められたため、控訴しない方針とされる。北朝鮮が期限内に控訴しなければ1審判決が確定し、賠償元金の債権には確定時から10年の消滅時効が適用される。
今回の訴訟には、北朝鮮が無断で撤去した金剛山の離散家族面会所は含まれていない。同施設は離散家族の再会を定例化するため、南北が2007年に金剛山観光地区に建設した。
北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記が2019年に韓国側施設の撤去を指示した後、面会所では撤去の動きが相次いで確認されている。統一省は2025年2月、撤去の動きを公表し、韓国の国有財産に対する侵害だと批判した。
今回の判決は、面会所など北朝鮮が無断撤去した政府資産を巡って損害賠償訴訟が提起された場合、先例となる可能性がある。一方、開城工業団地の一部設備や金剛山にある民間企業の資産などについては、異なる法的論理が適用される可能性もある。
統一省は判決後、「裁判所の判断を尊重し、必要な措置を検討する」としながら、「南北対話が再開され、すべての南北間の問題が対話と協力によって解決されることを期待する」と表明した。
イ・ジェミョン(李在明)政権は南北関係の平和的な管理を重視しており、北朝鮮の海外資産の差し押さえなど、賠償を強制する措置は検討していないとされる。北朝鮮が無断撤去したほかの政府資産についても、追加の訴訟には踏み切らないとみられている。
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News