【9月17日 AFP】欧州連合(EU)のウルズラ・フォンデアライエン欧州委員長は16日、EUの弱体化を図る「超国家主義者(ウルトラナショナリスト)や反欧州主義者」に対してEU加盟国27か国が一致団結して「対抗」するよう呼び掛けた。

フォンデアライエン氏はフランス東部ストラスブールで開かれた欧州議会本会議で演説し、「私たちの民主主義が、権威主義者の代理勢力や傀儡(かいらい)によって弱体化させられるのを黙って見過ごしてよいのだろうか」と問い掛けた。

「彼らはわれわれの価値観を忌み嫌い、欧州の結束を打ち砕こうとしている。だからこそ、ただ抵抗するだけでなく、欧州の理念のために力を合わせて闘おうではないか」と続けた。

フォンデアライエン氏の演説は、欧州全域で極右政党が台頭し、支持を伸ばす中で行われた。

ドイツでは今月、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が東部ザクセン・アンハルト州議会選で得票率約44%を獲得して圧勝。第2次世界大戦後のドイツで初めての極右主導の州政権樹立を目指している。

フランスでは、極右政党「国民連合(RN)」の指導者、マリーヌ・ルペン前党首が2027年大統領選において大統領の座を獲得する過去最大のチャンスを迎えており、世論調査では第1回投票で2位以下に大差をつけて首位に立ち、第2回決選投票でもあらゆる対抗馬に対して勝利する可能性が高いことが示されている。

フォンデアライエン氏は、生活費の高騰をはじめとする欧州が直面する課題が「極端な勢力(極右と極左)の台頭と、ニュアンスの衰退(コミュニケーションや文化の中で、物事の細かい違いや複雑な意味合いが十分に汲み取られなくなったり、失われたりする傾向)」に拍車をかけていると指摘。

「これらの現実の懸念が、われわれの間に楔(くさび)を打ち込むための武器として利用されている。外部から利用されるケースもあるが、内部から利用されるケースがあまりにも多い」と述べた上で、「しかし、われわれが進むべき道は明らかだ。実行力を備えた独立した欧州を築くことだ。何者にも私たちを止めることはできない」と強調した。(c)AFP