STANBRU社稷野球場店の外観=ロッテGRS提供(c)news1
STANBRU社稷野球場店の外観=ロッテGRS提供(c)news1

【09月17日 KOREA WAVE】韓国で、かつて大型店舗や高級路線でコーヒー市場をけん引した老舗ブランドが、中低価格市場への参入を相次いで進めている。物価高の長期化で価格や利便性を重視する消費傾向が強まる中、既存商品の値下げではなく、新ブランドや小型・低価格店舗を展開して新たな成長を目指している。

業界によると、カフェベネは8月、小型・低価格モデル「カフェベネ・エクスプレス」のフランチャイズ事業情報公開書を新たに登録した。カフェベネのブランドを維持しながら、店舗規模や開業費用、商品価格を抑えた業態となっている。

ソウル市松坡区文井洞の店舗では、アメリカーノを2000ウォン(約230円)で販売している。通常のカフェベネ店舗の4500ウォン(約510円)より2500ウォン(約290円)安い。

ロッテGRSも、既存ブランド「エンジェリナス」とは別に、中低価格のドリップコーヒーブランド「STANBRU」を拡大している。2025年6月に京畿道城南市慰礼で1号店を開き、現在はソウルや釜山、束草、光州などで10店舗以上を展開する。

STANBRUのアメリカーノは2800ウォン(約320円)、ドリップコーヒーは3500ウォン(約400円)。専門店では比較的高価格になりやすいドリップコーヒーを3000ウォン台に抑え、一般的な低価格コーヒーとの差別化を図っている。

コーヒービーン・コリアの関係会社スタールクスも2025年9月、中低価格ブランド「ボックスコーヒー」を立ち上げ、直営店を拡大している。アメリカーノは1500ウォン(約170円)で、コーヒービーンの約3分の1の価格という。スペシャルティーグレードの豆と独自のエスプレッソブレンドを採用し、価格と品質の両立を掲げる。

背景には低価格ブランドの急成長がある。韓国公正取引委員会の2025年フランチャイズ事業統計によると、コーヒー業種の加盟店数はメガMGCコーヒーが3325店で最多だった。コンポーズコーヒーが2649店、イディヤコーヒーが2562店、ペクタバンが1712店と続いた。

メガMGCコーヒーとコンポーズコーヒーの2ブランドだけで5974店に達し、ペクタバンを加えると7600店を超える。一方、かつて数百~1000店規模を展開していたブランドは最盛期に比べ店舗数を大きく減らした。大型店舗で過ごす体験を重視してきた市場に、小型店舗やテイクアウトを中心とする低価格ブランドが急速に浸透したためだ。

このため既存企業は、主力ブランドのイメージや価格体系を変更するのではなく、別の中低価格ブランドや小型店舗を投入する戦略を取っている。

業界関係者は「物価高が長期化し、日常的に飲むコーヒーでは価格と利便性を優先する消費傾向が鮮明になっている」と指摘。「既存のコーヒー企業も店舗運営の経験や商品開発力を生かし、中低価格市場で新たな成長機会を探している」と話した。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News