「紙の品質に難点」北朝鮮、落ち葉からパルプ生産…深刻な原料・電力不足で紙の「地方自給」模索
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【09月17日 KOREA WAVE】北朝鮮当局が、落ち葉からパルプを取り出す新たな製紙技術を開発したと宣伝している。紙の品質が低いとされる北朝鮮は、地方各地で製紙工場の建設や新技術の開発を進め、生産量の拡大と品質改善を図っている。ただ、原料不足への対策として打ち出した落ち葉やアシなどの非木材パルプだけでは、紙の品質向上には限界があるとの分析が出ている。劣悪な電力事情や荒廃した森林も障害となっている。
北朝鮮の対外宣伝誌「錦繍江山」9月号によると、国家科学院紙工学研究所は約10年前から新たな製紙技術の研究に着手した。研究チームは原料問題の解決を重視し、カエデやイチョウ、ケヤキ、クリなど身近な木の落ち葉からパルプを生産する技術を開発した。
この技術は、古紙や廃繊維から作ったパルプに落ち葉のパルプを一部混ぜて紙を生産する方式。北朝鮮メディアは、紙1トン当たりに必要なパルプ量を大幅に節約できるとしている。
研究チームは、筆記用や包装用、印刷用など複数種類の紙を一つの工程で生産できる多目的製紙機械も開発した。北朝鮮メディアは、これにより生産量が従来の10倍以上に増えたと宣伝している。
一方、北朝鮮製の紙は、木材ではなく古紙などの非木材パルプを使うケースが多く、薄くて表面が均一でないものが多い。学校や企業では現在も黄褐色の粗い紙が広く使われているという。
背景には原料不足と慢性的な電力難がある。北朝鮮では1990年代の経済危機を経て森林の荒廃が進み、利用可能な木材は製紙より燃料として優先的に使われている。製紙工場の稼働率は25%を下回る水準とされる。
北朝鮮は2024年に始めた「地方発展20×10政策」の一環として、各地方が域内の紙需要を自力で賄えるよう製紙工場を新設する構想も示している。キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記は2025年12月、平安南道の殷山製紙工場の竣工式に出席し、ほかの地方でも独自に製紙工場を建設するためのモデルとなる経験が得られたとして、追加建設を示唆した。
北朝鮮は新義州化学繊維工場でも、原料に100%アシを使った製紙工程を構築したと発表。古紙や廃繊維をパルプ原料として利用する方式についても「環境に優しい」と宣伝している。
ただ、非木材原料の比率が高い紙は、木材パルプを使った紙に比べて品質向上が難しいとの指摘がある。落ち葉やアシの活用を新技術として打ち出す一方、木材を十分に確保できず、品質の低い原料を使わざるを得ない実情を示しているとの見方もある。
韓国統一省の北朝鮮情報ポータルによると、北朝鮮の印刷用紙の生産能力は6万2000トンで、韓国の2.4%にとどまる。不足分の相当部分を輸入に頼っており、原料と電力の問題が絡む中、品質改善と生産量の大幅な拡大には時間がかかるとみられている。
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News