韓国の給与所得税、2027年に初の100兆ウォン超へ…18年間変わらぬ課税基準に見直し論
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【09月17日 KOREA WAVE】韓国で給与所得税収が2027年に初めて100兆ウォンを突破する見通しとなった。賃金や物価が上昇する一方、所得税の課税基準が長期間ほぼ据え置かれているため、名目所得の増加によって会社員がより高い税率の対象となる「静かな増税」が進んでいるとの指摘が出ている。
韓国財政経済省によると、2027年の給与所得税収は102兆4446億ウォン(約10兆2444億6000万円)と見込まれている。2026年の見通し73兆2482億ウォン(約7兆3248億2000万円)から39.9%増え、初めて100兆ウォンを超える。
大幅な増加には大企業の業績賞与が影響しているが、所得の伸びを十分に反映できていない税制も一因とみられている。
2024年に年間給与が1億ウォン(約1000万円)を超えた人は154万5725人で、2014年の52万6406人の2.94倍、2009年の19万6539人の7.86倍となった。課税対象者に占める割合も2009年の1.4%から2024年には7.3%へ上昇した。
韓国の所得税は、所得から各種控除を差し引いた課税所得に応じて6~45%の累進税率を適用する。現在は8段階に分かれており、課税所得8800万ウォン(約880万円)超~1億5000万ウォン(約1500万円)以下には35%の税率が適用される。
問題視されているのは、35%の税率が始まる8800万ウォンという基準が2008年から18年間変わっていない点だ。賃金と物価が上昇しても課税基準が据え置かれているため、実質的な所得が大きく増えていなくても、名目所得の増加によって高い税率の区分に入る可能性が高まる。
1人当たり国民総所得(GNI)は2008年の2542万1000ウォン(約254万2100円)から2025年には5257万ウォン(約525万7000円、暫定値)と2倍以上に増えた。2026年は4万ドル(約600万円)を突破する可能性が高いとされる一方、所得税制度の主要な基準は大きく変わっていない。
基本控除も2009年に150万ウォン(約15万円)と定められてから17年間据え置かれている。韓国与党「共に民主党」は2025年、基本控除を180万ウォン(約18万円)に引き上げる法改正を進めたが、成立には至らなかった。
イ・ジェミョン(李在明)大統領も与党「共に民主党」代表だった2025年2月、物価上昇で名目賃金だけが増え、実質賃金が上がらなくても累進課税によって税負担が増えるとして問題を指摘していた。
専門家からは、課税所得の区分や控除額を物価に連動させる制度を導入すべきだとの意見が出ている。オ・ムンソン漢陽女子大学教授は、毎年機械的に物価上昇率を反映するのではなく、3~5年ごとに物価変動を検討する仕組みを所得税法に盛り込むことを提案した。
一方、ソウル市立大学のキム・ウチョル教授は物価連動の原則には賛成しながらも、導入時期には慎重な姿勢を示した。8800万ウォンの基準を引き上げれば主要な税収基盤が弱まる可能性があるとして、各種控除の見直しなどを先に進める必要があると指摘した。
政治圏でも制度改正の動きが出ている。韓国野党「国民の力」のイ・インソン議員は2026年3月、2027年に適用する課税所得区分を引き上げた後、毎年の物価上昇率を反映する所得税法改正案を発議。同党のキム・ミエ議員も4月、各区分の基準額を毎年物価上昇率に応じて調整する改正案を提出した。
(c)MONEYTODAY/KOREA WAVE/AFPBB News