中国・海南島に残る千年の伝統陶器「黎陶」
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【9月23日 東方新報】「三亜市の黒土村では、ほとんどの家のおばあさんがリー族の陶器を作れます。私も泥遊びをしながら育ち、最初に作り方を教えてくれたのは祖母でした」。海南省(Hainan)三亜市(Sanya)天涯区の黒土村にあるリー族伝統製陶技術の伝承拠点を訪れると、リー族の董佳佳(Dong Jiajia)さんが、千年にわたって受け継がれてきた黎族の陶器「黎陶」の歴史をこう語った。
リー族の伝統的な製陶技術は2006年、第1次中国国家級無形文化遺産代表リストに登録され、中国古代の製陶技術の「生きた化石」とも呼ばれている。黒土村の伝承拠点には、さまざまな形や大きさの黎陶が並ぶ。リー族の伝統的な文様が刻まれた炊飯用の鍋や水がめのほか、愛らしい鹿をかたどった文化・クリエーティブ商品などもあり、一握りの土から伝統と現代的な感覚を融合させた多彩な作品が生み出されている。
董さんによると、リー族の伝統製陶は、細長く伸ばした粘土を輪状に積み重ねて器の形を作る「泥条盤築」と呼ばれる技法を用いる。地元に伝わる神話では、昔、人びとの苦しい暮らしを見かねた陶器の仙女が黎族の女性たちに製陶技術を伝え、それによって陶器で食事を作れるようになり、暮らしが改善されたとされている。
黎陶作りでは、まず3種類の高嶺土を一定の割合で混ぜ、適度な粘りを持つ陶土を作る。土をつく、細長く伸ばす、練る、こねる、ふるいにかけるなど複数の工程を経て、ようやく器の成形に入る。
リー族伝統製陶技術の海南省級代表伝承者、符秋蓮(Fu Qiulian)さんによると、成形で難しいのは、器の左右を対称にし、全体の厚さを均一にすることだ。これが不十分だと、焼成時にひび割れが生じやすくなるという。
かつて黎陶は屋外で焼かれていた。伝統的な方法で焼くと、表面に不規則な灰黒色の模様が現れ、水墨画のような独特の風合いが生まれる。現在は電気窯も導入され、温度を安定して管理できるため、より鮮やかな色合いに仕上げることができる。
一方、社会の変化に伴い、リー族の伝統製陶技術も一時は継承が難しくなった。董佳佳さんの父、董福生(Dong Fusheng)さんは技術が途絶えることを懸念し、村の陶工たちと協力して2014年に「三亜黒土黎陶手工製品農民専業合作社」を設立。製陶技術を伝える「リー族原始製陶技芸伝習所」を開設した。
地元政府や村民の支援を受け、当初120平方メートルだった施設は現在、約5ムー(約3300平方メートル)の伝承拠点に拡大した。文化と観光を組み合わせたエリアの整備も計画され、無形文化遺産と観光を融合させた取り組みが進められている。
黒土村では外国人観光客も黎陶作りを体験している。ベラルーシから訪れたリナさんはこのほど、自分の手で黎陶の茶わんを作り、その工程を動画に収めた。「黎陶はとても特色があり、作る過程も面白かったです。この茶わんを焼いて家に持ち帰りたいです。自分で作った器で食べれば、きっともっとおいしく感じると思います。製作の様子も多くの人に紹介したいです」と話した。(c)東方新報/AFPBB News