[KWレポート] AIチャットは誰を守るのか (3) …ゲームではないのに「最大ゲーム展」の顔に、曖昧になる境界線
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【09月16日 KOREA WAVE】韓国最大のゲーム展示会「G-STAR 2026」で、ゲーム会社ではない企業が初めてメインスポンサーを務める。AIチャットアプリ「Crack」を運営するWrtn Technologiesだ。
これまでメインスポンサーにはネクソン、NC、ウィメイド、カカオゲームズ、ネットマーブルなど主要ゲーム会社が名を連ねてきた。G-STAR組織委員会は「産業を貫く最も重要な2つのキーワードはAIと物語性だ。Crack」を最適なパートナーに選んだと説明した。
一方、Wrtnは「Crack」について「ゲームではなくAI対話型コンテンツサービス」と説明している。アプリストアでもゲームではなく「エンターテインメント」に分類されている。
「Crack」では、会話や画像生成などに「クラッカー」と呼ばれる有料通貨を使う。ウェブ版では1クラッカーが1ウォン(約0.1円)だ。Wrtnは、クラッカーはゲームアイテムではなく、プラットフォームの機能を利用するためのサービス内通貨との立場を示している。
G-STARのスポンサーになったことだけで「Crack」をゲームと断定することはできない。ただ、運営会社がゲームではないと位置付けるサービスが韓国最大のゲームイベントの中心に立ったことは、AIチャットアプリの曖昧な立ち位置を浮き彫りにしている。
利用方法もゲームに近い。利用者はAIキャラクターと世界観を作り、会話や選択によって物語を変化させる。「Crack」は利用行為を「プレイ」と表現し、ログイン報酬やバッジ、利用者ランキングなどで継続利用を促している。
収益モデルもモバイルゲームと似ている。有料通貨を使って会話や画像生成、高度な会話モードを利用する仕組みだ。別のAIチャットアプリ「Zeta」は会話を無料にする一方、広告非表示や画像生成などを有料としている。
「Crack」は2025年12月、有料クラッカーを賭け、確率に応じて2~100倍を獲得するか、全て失う「クラッカー焼き」イベントを実施した。年齢制限なしで始まったが、射幸性を懸念する利用者から苦情が寄せられ、2日と19時間で終了した。Wrtnは未成年者がイベントで失った有料クラッカーを全額補償し、類似イベントは今後実施しないと明らかにした。
2026年7月の「Crack」の利用者は80万人、実行回数は1億2200万回だった。「Zeta」は利用者428万人、実行回数20億800万回で、ChatGPTの18億1700万回を上回った。
8月18日時点で、Google Playのエンターテインメント部門売り上げランキングは「Crack」が6位、「Zeta」が8位。ゲームを除く全アプリでも、それぞれ15位と17位に入り、「Crack」はWavve、Coupang Play、Disney+を上回った。
韓国のゲーム物管理委員会は、AIと対話する機能だけでゲームと判断するのは難しいものの、有料通貨を使い、確率によって通貨の獲得や損失が決まる仕組みはゲーム性を判断する重要な要素になるとしている。射幸性のあるゲームに当たるかについても別途検討が必要との見解だ。
しかし、「Crack」はゲームのレーティング審査を申請したことがない。ゲーム物管理委員会を含む政府機関が、会話やストーリー、有料通貨、バッジ、ランキング、確率イベントなどを総合的に検討し、ゲームに当たるか判断したこともない。
(c)MONEYTODAY/KOREA WAVE/AFPBB News