北朝鮮・平安南道平城市に新たにオープンした焼き肉専門店の店内=労働新聞(c)news1
北朝鮮・平安南道平城市に新たにオープンした焼き肉専門店の店内=労働新聞(c)news1

【09月16日 KOREA WAVE】北朝鮮で最近、冷麺ではなく「焼き肉」が人気を集めている。北朝鮮当局は平壌に続き、地方の主要都市にも数百席規模の近代的な焼き肉専門店を相次いで建設し、食生活の近代化をアピールしている。

北朝鮮の朝鮮労働党機関紙・労働新聞は8~10日の3日間、慈江道江界市、平安南道平城市、平安北道新義州市で焼き肉専門店が開業したと相次いで報じた。いずれも北朝鮮当局が重視する経済拠点だ。

江界市の専門店は将子江のほとりに建設され、数百席規模のホールや家族向けの個室、テラスで食事ができる屋外スペースなどを備える。労働新聞は、焼き肉だけでなく多様な伝統料理を味わえる地域の拠点的な飲食店として紹介した。

平壌に近い平城市にも、延べ床面積約2400平方メートルの大型専門店が完成した。各種焼き肉や冷麺、清涼飲料を提供する屋内外のスペースを備え、労働新聞は「人民の食生活向上と食文化の発展に寄与する施設」と紹介している。

中国との貿易の玄関口である新義州でも、数百席規模の焼き肉専門店がオープンした。労働新聞は「国境の玄関口都市の一等地に特色ある形で建設された」と伝えた。

北朝鮮では約5年前から、朝鮮労働党中央レベルで住民の食生活改善を進めている。こうした焼き肉専門店には、政策の成果を住民に実感させるとともに、体制の優位性を宣伝する役割もあるとみられる。

キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記は2019年3月、住民が「白米のご飯と肉のスープ」を食べられるようにすることが先代指導者の願いだったと述べた。2021年からは穀物生産の中心を「コメとトウモロコシ」から「コメと小麦」へ転換する方針を打ち出すなど、食生活の質を高める政策を進めてきた。

2022年10月に万景台革命学院を訪れた際にも、児童らに肉や卵、魚、野菜、昆布、塩辛、基礎食品などを十分に供給するよう指示している。

現在の焼き肉専門店の原型は平壌で先に登場した。2025年には新都市の和盛地区に大型焼き肉店が建設され、バーベキューやサムギョプサル、焼き肉、フォアグラ料理など約200種類を提供すると北朝鮮メディアが宣伝していた。

こうした近代的な大型外食施設が約1年で江界、平城、新義州など地方の主要都市に広がった形だ。平壌でモデルをつくり、それを各地へ展開する北朝鮮の都市開発方式が外食分野にも適用されているとみられる。

3店舗はいずれも家族向けスペースや屋外エリア、近代的な設備、造園などを重視している点でも共通する。住民の生活水準が向上していることを視覚的に示す狙いがあると分析されている。

こうした近代的な外食施設は、北朝鮮が今後、外国人観光を拡大する場合、地域の観光資源として活用される可能性もある。新義州は中国と接する代表的な国境都市で、平城も平壌に近い比較的大きな都市であることから、観光開発の需要があるとみられている。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News