【9月15日 AFP】今年6月に閉鎖された米フロリダ州の移民収容施設「アリゲーター・アルカトラズ」で、被収容者が電話ボックスほどの大きさの金属製のおりに収容されることがあったとする報告書が公表された。

米国土安全保障省(DHS)の監察総監室(OIG)による報告書では、同施設が多くの項目で基準を満たしていなかったと結論付けられた。

フロリダ州エバーグレーズに位置し、米移民・税関捜査局(ICE)が運営していた同施設は、ドナルド・トランプ大統領が進める不法移民の大量強制送還の象徴となっていたが、法廷闘争や維持費の高騰が物議を醸す中、今年6月に閉鎖された。

「アリゲーター・アルカトラズ」をめぐっては閉鎖前、弁護士や被収容者の親族、人権活動家らから、政府が不法移民を過酷な環境に拘束し、適切な法的手続きの機会を奪っているとの批判が相次いでいた。

12日に公表されたOIGの報告書は、今年1月の立ち入り調査を踏まえてまとめられた。

報告書によると、同施設は環境衛生・安全、医療、食事、個人衛生、運動・余暇活動などの面で基準を満たしていなかった。

報告書は同施設について、「被収容者に十分な居住空間を提供しておらず、大半の時間を居住区画で過ごす被収容者が窮屈な環境に置かれていた。これは被収容者の心身の健康を害する恐れがある」と指摘した。

さらに、2025年7月から2026年1月にかけて、被収容者79人が床面積約1.67平方メートルの小さな金属製のおりに、数分から2時間近く拘束されていたと記している。

施設職員はこのおりについて、被収容者が気持ちを落ち着かせ、一人で過ごすための「鎮静スペース」だと説明していた。

報告書は、「理由のいかんを問わず、このような小さな金属製のおりを使用することは、OIGがこれまで視察した収容施設では前例がなく、被収容者の健康と安全に重大なリスクをもたらす」と指摘。「このように極端に制限された空間の使用は極めて異例で、人道的な処遇の基準に沿うものではない」とした。

何百万人もの不法移民送還を公約に掲げるトランプ氏は、2025年7月の開設後に同施設を視察。過酷な環境を自慢げに語り、周辺の水域に生息するアリゲーターが脱走を防ぐ警備員の役割を果たすなどと冗談を飛ばしていた。(c)AFP