ソウル駅の待合室で北朝鮮の弾道ミサイル発射に関するニュースを見る市民ら=2026年9月12日(c)news1
ソウル駅の待合室で北朝鮮の弾道ミサイル発射に関するニュースを見る市民ら=2026年9月12日(c)news1

【09月15日 KOREA WAVE】北朝鮮が12日に実施した長距離砲・ミサイル部隊の合同攻撃訓練に攻撃用の自爆型ドローンも投入し、「複合攻撃能力」を誇示した。異なる兵器を一つの指揮系統で運用し、韓国と米国の対応を混乱させる狙いがあると分析されている。

北朝鮮は最近、核兵器の性能を誇示するよりも、性質の異なる兵器を一つの指揮網で運用したり、新型兵器で韓米の防空網の弱点を狙ったりする非対称的な挑発に重点を移している。

朝鮮中央通信によると、朝鮮人民軍の長距離砲・ミサイル部隊による合同火力攻撃訓練には、5つの砲・ミサイル連合部隊から選ばれた部隊が参加。攻撃用ドローンや戦略巡航ミサイル、大口径のサーモバリック多連装ロケット砲、戦術弾道ミサイルなどが投入された。

訓練の特徴は、系統の異なる複数の兵器を統合して指揮した点にある。北朝鮮側は「戦略兵器総合管理システム」を構成する統合火力指揮システムの運用手順を習得し、複数の戦闘システムを統合して自動的に火力を指揮する専門性を高めることが主要課題だったとしている。

「戦略兵器総合管理システム」という表現が北朝鮮メディアに登場したのは初めて。統一研究院のホン・ミン上級研究委員は、今回の訓練について、個々の兵器の性能を示すのではなく、異なる戦略・戦術攻撃手段を統合指揮し、同時運用する能力を誇示するものだと分析した。

北朝鮮は2024年5月、統合火力指揮システムを「国家核兵器総合管理システム」の構成要素と説明していたが、今回は「核兵器」という表現を外した。ホン・ミン氏は、上位の作戦概念が核兵器だけでなく、ドローンや巡航ミサイル、多連装ロケット砲などの非核攻撃手段まで含む管理システムに拡大した可能性があるとみている。

攻撃用ドローン、巡航ミサイル、弾道ミサイル、多連装ロケット弾は速度や高度、軌道がそれぞれ異なる。複数の方向から同一の標的に接近すれば、防御側は低速・低高度の標的と高速で落下する標的を同時に探知、追跡、迎撃する必要が生じる。

慶南大学極東問題研究所のイム・ウルチュル教授は、飛行特性の異なる兵器を統合運用することで、韓米の防空網による標的の計算や迎撃能力に過大な負荷をかけようとする戦術が発展していると分析した。

北朝鮮は、すべての攻撃兵器が火力攻撃の「一致性と同時性」を確保し、標的に命中したと主張した。飛行時間の異なる兵器の発射時点を調整し、火力を一斉に集中させる能力を強調したものとみられる。

自爆型ドローンを多連装ロケット砲やミサイル部隊の作戦に組み込んだ点も注目される。ドローンを先に投入して防空網の探知・迎撃能力を分散させた後、巡航・弾道ミサイルや多連装ロケット砲で主要標的を攻撃する多段階攻撃も可能な構成とみられている。

こうした変化については、北朝鮮がロシアとの軍事協力やウクライナ侵攻への派兵で得た教訓を軍事戦略に反映したとの見方もある。

今回の訓練は、韓米日の定例多領域訓練「フリーダム・エッジ」が終了した直後に実施された。一方、キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記は訓練に出席せず、朝鮮中央通信だけで伝えられたことなどから、政治的なメッセージの強さは比較的抑えられたとの分析も出ている。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News