韓国・高齢者虐待、加害者は「配偶者」が最多39.4%…息子を上回る
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【09月14日 KOREA WAVE】韓国で高齢夫婦間の暴力などの虐待が相次いでいる。子どもが独立した後、夫婦だけで互いの介護を担う家庭が増え、介護による負担や葛藤が虐待につながる場合があるとの分析が出ている。
ソウル市西大門区の住宅では7月、80代の夫が70代の妻を部屋に閉じ込め、暴行したとの通報が警察に寄せられた。夫は妻が外へ出られないようドアをくぎで固定して閉じ込めた後、暴行したとされる。
妻は事件当日に自宅から逃げ出して近所の家に避難し、自ら警察に通報した。軽傷を負い、病院へ搬送された。警察の調べでは、夫は以前から妻に不満を抱いていたという。
韓国保健福祉省の「2025年高齢者虐待現況報告書」によると、2025年の高齢者虐待の加害者9346人のうち、配偶者が3563人(39.4%)で最も多かった。次いで息子が23.5%、施設が18.9%だった。配偶者が加害者だったケースでは、男性が3047人(85.5%)を占めた。
かつては息子の割合が最も高かったが、近年は配偶者が上回っている。2020年は息子が34.2%で、配偶者の31.7%を上回っていた。2021年には配偶者が29.1%となり、息子の27.2%を初めて上回った。その後も配偶者の割合は上昇傾向が続いている。
虐待が発生した世帯の形態でも、高齢夫婦のみの世帯が最多だった。2025年の虐待被害者の世帯形態では、高齢夫婦世帯が42.3%を占め、子どもとの同居世帯が27.7%、高齢者の単身世帯が15.8%と続いた。
高齢者虐待の通報そのものも増えている。2025年に韓国各地の高齢者保護専門機関39カ所へ寄せられた通報は2万6578件で、2024年の2万2746件から16.8%増加した。
専門家は、子どもと離れて高齢夫婦だけで暮らす世帯が増え、外部が介入しにくくなっていると指摘する。夫婦が互いを介護するなかで負担や葛藤が蓄積しても、家庭内の問題だとの認識から虐待が表面化せず、周囲が発見しにくいという。
崇実大学社会福祉学部のホ・ジュンス教授は、2025年には子どもと同居する高齢夫婦の割合が10%を下回ったと説明。高齢者世帯が若い世代との交流がないまま孤立するケースが多いと指摘した。
ホ教授は、夫婦間の虐待を単なる夫婦げんかとして扱わず、地域社会で早期発見できる仕組みを整える必要があると強調。被害の程度に応じて関係機関が直接介入できる法的な仕組みを設け、警察の初期対応から高齢者保護専門機関による支援までつなげる体制が必要だとした。
ソウルで勤務する警察官も、高齢夫婦が互いへの介護ストレスを抱え続けた末に虐待へ発展する場合があるとし、虐待が疑われる高齢者について警察と高齢者保護専門機関が連携し、被害者を早期に発見して保護する必要があると指摘した。
(c)MONEYTODAY/KOREA WAVE/AFPBB News