【9月12日 AFP】ドイツの公共放送ZDFが11日に公表した最新の世論調査によると、フリードリヒ・メルツ首相率いる中道右派(保守)与党「キリスト教民主同盟(CDU)」が、9月20日に控えるベルリン州(特別市)と北東部メクレンブルク・フォアポンメルン州の州議会選挙を前に、左右の両極から支持層を削られていることが明らかになった。

CDUは、6日の東部ザクセン・アンハルト州議会選で、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」に惨敗したばかり。AfDは1945年以降の民族主義政党としては最高となる得票率約44%を獲得した。CDUの得票率は約17%だった。

ZDFの世論調査によると、メクレンブルク・フォアポンメルン州で、CDUの支持率はわずか7%にまで落ち込んでいる。

CDUにとって州議会選史上最低の数字で、議席を獲得するために必要な得票率5%以上という阻止条項の足切りラインをクリアできない可能性もある。

この世論調査では、AfDが支持率37%で首位に立ち、同州の現与党である中道左派・社会民主党(SPD)が34%で2位につけている。

国政においてCDUの連立パートナーであるSPDも過去2年間、選挙で手痛い敗北を重ねており、歴史的に強固な基盤の一つであるメクレンブルク・フォアポンメルン州の死守を目指している。

現在同州でSPDの連立パートナーを務める極左政党「左派党」は支持率10%で3位につけた。

この世論調査通りの結果となった場合、AfDには連立可能な政党が存在しないため、SPD、左派党、中道左派「緑の党」による左派3党連立政権の樹立となる可能性が高い。

ドイツほぼすべての主要政党は、人種差別やネオナチとの結びつきに関する疑惑から、AfDとの連立や協力を排除しているからだ。

一方、国政と同様にCDUとSPDの連立政権となっているベルリン州議会選は、大接戦の様相を呈しているが、CDUが議席を減らすことは確実視されている。

ZDFの世論調査では、左派党が支持率23%で首位、21%のCDUが2位につけている。

これにAfD(17%)、緑の党(16%)、SPD(10%)が続いている。

メルツ氏ら中道右派は概して、旧東ドイツの政権与党だった社会主義統一党(SED)の流れをくむ左派党を嫌悪している。

メクレンブルク・フォアポンメルン州と同様、ベルリン州の世論調査結果も、左派党、SPD、緑の党による左派3党連立政権となる可能性が最も高いことを示唆している。

メルツ首相個人の支持率はすでに過去最低水準に落ち込んでいるが、メクレンブルク・フォアポンメルン州で極右AfDが勝利し、ベルリン州で極左・左派党が勝利すれば、さらに追い打ちをかけられることになる。

メルツ首相は失言も多く、ドイツ政界ではCDUが同首相を切り捨てるのではないかといううわさが広がっている。(c)AFP