韓国フェンシング代表の「AIコーチ」、非開発者が一人で開発…人気ゲームのリプレー機能から着想
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【09月12日 KOREA WAVE】韓国フェンシング代表が、人工知能(AI)を使った戦力分析システム「SKT-FAN(Fencing AI Nexus)」を訓練に導入している。開発のきっかけを作ったのは、専門の開発者ではないSKテレコムのスポーツマーケティング担当者だった。
SKT-FANを考案したのは、フェンシング韓国代表の支援を約1年間担当してきたSKテレコムマネージャーのチェ・ジョンヒョク氏。以前はプロゲーマー「Faker(フェイカー)」ことイ・サンヒョクが所属するT1の選手団を担当しており、ゲーム「リーグ・オブ・レジェンド」のリプレー機能から着想を得た。
フェンシングでは選手の動きが速く、選手ごとの特徴や審判の判定傾向にも違いがある。従来は試合後、戦力分析担当者が映像全体を見返し、得失点の場面を一つずつ探していた。
チェ・ジョンヒョク氏は当初、AIが得点場面を見つけてハイライトを作成するアプリを構想した。外部企業に開発を問い合わせたところ、サーバー費用だけで30億ウォンとの見積もりを受け、開発期間も2026年アジア大会に間に合わないと判断。生成AIを活用して自ら開発に乗り出した。
私費でサーバーを購入して自宅に設置し、基本ソフト(OS)の導入から開発環境の構築、プログラム開発、サーバー運営まで自ら担当した。専門の開発者ではなかったため、ChatGPTやGemini、Qwenなど複数のAIモデルを試し、技術の長所と短所を確認しながらコードを修正した。
最初の試作版は、映像を読み込むとAIが得点場面を探して自動的に切り出す比較的単純な機能だった。その後、アジア大会を準備するコーチ陣や戦力分析担当者の意見を取り入れ、機能を拡充した。
現在のSKT-FANは、映像内のスコアボードの変化と選手の動きを認識し、得失点の時点を特定してタイムラインとハイライトを自動生成する。
さらに、選手の体にセンサーを装着せず、一般的な試合映像だけで関節や動きを追跡する「センサーレス・モーションキャプチャー」も採用。ステップや姿勢の変化をデータ化する。
フルーレ、エペ、サーブルの各種目の特徴を反映したアルゴリズムと大規模言語モデル(LLM)を組み合わせ、選手の長所や短所、試合の特徴をまとめた戦力分析リポートも自動生成する。アジア大会のフェンシング韓国代表は8月から訓練でSKT-FANを利用している。
開発当初は自宅のサーバー1台だったが、機能の拡大に伴ってSKテレコムも支援を開始。サーバーは8台、さらに14台へと増え、社内のマルチモーダルプラットフォームチームやサーバー管理チームも開発・運営を支援するようになった。
SKT-FANは2026年アジア大会で選手やコーチ陣が実際に使用し、2027年に現場からの意見を反映して機能を改善する予定だ。その後も試合データを蓄積して分析精度を高め、2028年ロサンゼルス五輪までシステムを高度化する計画としている。
チェ・ジョンヒョク氏は「AIが得意な部分は自動化し、コーチ陣と選手がより重要な部分に集中できるよう支援することが目標」と説明した。
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News