【9月12日 AFP】イエメンの親イラン武装組織フーシ派は11日、欧州とアジアを結ぶ重要な海上航路の支配を確固たるものにする攻勢で同国の紅海沿岸部全域を制圧し、戦略的要衝である三つの島を占拠した。

イランによるホルムズ海峡の封鎖が数か月続く中、同日にはサウジアラビアが攻撃を受けて石油パイプラインの停止を余儀なくされるなど、中東の緊迫化が国際的な商業に与える打撃は一段と深刻化する見通しだ。

イエメン政府当局者は、数百人の死者を出した1週間にわたる激しい攻勢の末に、フーシ派が紅海とスエズ運河への南の玄関口にあたるバベルマンデブ海峡のイエメン側海岸を完全掌握したと発表した。

サウジが支援するイエメン暫定政権軍の当局者は11日、フーシ派が「バベルマンデブ地域およびマユン島の占領を完了した」と明かした。

政府軍関係者によると、フーシ派は同海峡内で暫定政府の支配下に残されていた最後の2島である大ハニシュ島と小ハニシュ島、および周辺の紅海沿岸全域も制圧したという。軍関係者は「西海岸でわれわれの支配下にあった拠点はすべて陥落した」と語った。

同海峡の中央に位置するマユン島などの占拠により、フーシ派が今年7月以降標的にしてきたサウジアラビアのタンカーに対する攻撃能力は一層高まることになる。世界最大の原油輸出国であるサウジアラビアは、ペルシャ湾経由の出荷がイランのホルムズ海峡封鎖により遮断されて以来、紅海ルートへの依存を深めていた。

今回の紅海沿岸での攻勢の前から、フーシ派はすでにイエメン北部の大部分を支配していた。同派は最近、政府側の拠点であるホデイダ県やタイズ県を攻撃して沿岸部を南下し、10日には港湾都市モカとバベルマンデブ海峡の北に位置するズカール島を制圧していた。

一方、サウジアラビアのエネルギー省は11日、攻撃を受けてホルムズ海峡の迂回ルートとして利用を増やしていたパイプラインの停止を余儀なくされたと発表。負傷者が出ていることも明かした。

当局者はサウジ国営通信(SPA)に対し、「リヤドおよびメディナ地域を通る東西パイプラインが10日朝、複数の攻撃を受けた」とし、「予防的措置としてパイプラインを停止した」と述べた。

イラクのアリ・アルザイディ首相の事務所は、「サウジアラビアの同胞を標的とした攻撃が県内から仕掛けられたことが確認された」として、南部マイサン県の警備司令官を解任したと発表した。(c)AFP