【9月11日 AFP】スペイン下院は10日、「スペイン領サハラ」時代に西サハラで生まれた西サハラ住民(サハラウィ)数万人にスペイン国籍を付与する法案を賛成168、反対31票で可決した。

スペインは1975年に西サハラを放棄し、1976年までに完全に撤退。その後、モロッコが領有権を主張して進駐し、現在は大部分を実効支配している。

だが、国連は西サハラを「非自治地域」に指定し、モロッコおよび独立を求めるサハラ・アラブ民主共和国(SADR)のいずれの主権も認めていない。

今回の採決は、北アフリカのスペイン領セウタへの不法移民殺到をめぐり、スペインとモロッコの関係が特に微妙な時期に行われた。

同法案が成立するには、上院でも可決される必要がある。

同法案は、スペイン領サハラの住民がスペイン国籍を選択・取得する期限だった1977年9月29日以前に生まれた西サハラ住民とその子孫に対し、スペイン国籍を付与するものだ。

対象者の正確な人数は明らかにされていないが、約8万人に資格があるとみられ、子孫を含めると20万人近くに達するという推計もある。

アルジェリアの支援を受ける西サハラ独立派「ポリサリオ戦線」とモロッコの数十年間にわたる対立は、スペインにとって長年、厄介な問題となっていた。

だがスペインは2022年に従来の中立路線を変更し、モロッコの主権下で西サハラに自治権を認める自治案への支持を表明した。

西サハラ住民へのスペイン国籍付与案は、1936~1939年のスペイン内戦や1939~1975年のフランシスコ・フランコ将軍の独裁体制を逃れて国外に移住したスペイン人の子孫にスペイン国籍を付与する2022年の法律に続くものだ。

中道右派および極右の野党は、左派のペドロ・サンチェス首相が来年の総選挙に向けて、国籍付与を利用して主に中南米から左派傾向のある有権者を大量に「輸入」していると批判している。(c)AFP