ソウル市内の不動産店に掲示されたマンションの月極賃貸物件(c)NEWSIS
ソウル市内の不動産店に掲示されたマンションの月極賃貸物件(c)NEWSIS

【09月09日 KOREA WAVE】韓国政府の実居住を重視した不動産税制改正案が確定し、ソウルの賃貸住宅市場で緊張が高まっている。総合不動産税や保有税などの負担を減らすため、家主が賃貸物件を引き揚げ、自ら居住する可能性が依然として高いためだ。

不動産ビッグデータプラットフォーム「アシル」によると、1日時点のソウルのマンションのチョンセ物件は1万9902件で、1カ月前の2万1146件から5.9%減少。1年前の2万2966件と比べると12.8%減った。

チョンセ物件の減少に伴い、価格も上昇している。KB不動産によると、ソウルのマンションの平均チョンセ価格は7月に統計作成開始後初めて7億ウォンを突破し、8月には7億1178万ウォンに上昇した。

月極賃貸の価格も上昇が続く。2025年4月に140万ウォンを超え、2026年1月には150万ウォンを突破。さらに6カ月後には160万ウォンを超え、162万ウォンとなった。

政府は非居住の1戸所有者や賃貸市場への影響を考慮し、税制改正案を一部修正した。1日の国務会議(閣議)を通過した修正案では、非居住の1戸所有者に対する基礎控除を9億ウォンに縮小する案を撤回し、現行の12億ウォンを維持。税負担の上限も現行の150%を維持する。

一方、多住宅所有者や高額住宅への税負担を強化する基本方針は変わらず、チョンセから月極賃貸への移行も加速している。韓国不動産院によると、6月のソウルのマンション賃貸契約のうち、保証金付き月極賃貸を含む月極賃貸の割合は55.4%で、1年前の43.5%から11.9ポイント上昇した。

登録賃貸住宅を運営する賃貸事業者も、多住宅所有者として税負担が増える。ソウルの登録賃貸マンションは2026年に2万4267戸、2027年に1万375戸、2028年に1万1071戸が自動的に登録抹消される予定だ。

住宅費の負担は若者の結婚生活にも影響している。住宅価格や賃貸費用の上昇を受け、結婚を先延ばしにしたり、新居を構えず夫婦がそれぞれの住居で暮らしたりするケースも出ている。

ソウルで働く30代の会社員は最近結婚したが、新居を用意しなかった。ソウルのマンションのチョンセ価格は負担できる水準ではなく、月極賃貸では毎月の住宅費が重いためだ。会社員はソウル、配偶者は職場に近い水原にそれぞれ住み、週末に会う生活を続けている。

国家データ処によると、2024年の新婚夫婦95万2026組のうち11万5979組、12.2%が別居していた。2023年の11万1965組、11.5%から割合が上昇している。

韓国資産管理研究院のコ・ジョンワン院長は、税制改正案には高額住宅や多住宅所有者、住宅賃貸事業者への修正や補完が不足しているとの見方を示した。そのうえで、非居住の1戸所有者が自宅に戻れば、そこに住んでいた借り主が退去を迫られ、チョンセ物件がさらに不足して月極賃貸の価格が急騰する可能性があると指摘。「最も大きな問題は、打撃を受ける住宅を持たない庶民の行き場がなくなることだ」と懸念した。

(c)NEWSIS/KOREA WAVE/AFPBB News