【9月12日 東方新報】早朝、中国の黒竜江省(Heilingjiang)黒河市(Heihe)にある五大連池工人療養院では、理学療法室でマッサージや鍼治療、リハビリなどが次々と行われている。希少な冷泉や火山、地磁気に恵まれた自然環境を生かし、中国北部の秘境、五大連池風景区は独自の自然療法を強みに海外から多くの保養客を呼び込み、冷たい鉱泉を活用した越境ヘルスツーリズムによる「熱い経済」を生み出している。

五大連池には「世界三大冷泉」の一つとされる天然鉱泉をはじめ、新旧14の火山群、800平方キロメートルを超える溶岩台地がある。こうした資源を生かし、従来の単一的な療養スタイルから脱却し、「医療+保養サービス+文化体験」を一体化した質の高いヘルスツーリズムの構築を進めている。

データによると、今年上半期に五大連池風景区を訪れた観光客は延べ57万3000人で、前年同期比19.2%増加した。このうち療養目的の利用者は延べ19万2000人に上り、米国、シンガポール、アイルランド、英国、ロシアなど10カ国以上からの観光客も含まれる。ヘルスツーリズムは現在、同風景区の安定した主要な観光需要となっている。

五大連池を何度も訪れているロシア人観光客のスベトラーナ・カレゴワさんは、「鉱泉水を飲み、マッサージや鍼治療で体を整えています。ビザ免除政策で行き来も便利になりました。療養を終えるたびに体調が明らかに良くなったと感じます」と話す。

中国伝統医学のマッサージやかっさ、カッピングは、外国人観光客が中国医学に触れる重要な機会にもなっている。夏休みの観光シーズンには、午前8時には理学療法科がすでに満員になる。理学療法士チームの責任者、査彦維(Cha Yanwei)氏によると、同科では1日当たり延べ140~150人の外国人患者を受け入れているという。

査氏は「利用者には関節や皮膚、スポーツによるけがなどの問題を抱える人が多くいます。海外からの利用者のニーズに対応するため、先進的な理学療法機器を継続的に導入するとともに、スタッフ全員が外国語を学び、外国人向けサービスの向上に努めています」と説明する。

新たに開設された414室の「全磁康養客室」は、火山地帯特有の地磁気環境を生かした療養施設で、一度に700人以上を受け入れることができる。冷泉を利用した鉱泉療法、溶岩を利用した温熱療法、地磁気環境を生かした保養と中国医学による診療を組み合わせている。

黒竜江省五大連池工人療養院の陳継佳副院長は、地域特有の自然環境を生かして外国人向けの療養システムを構築しており、同療養院が受け入れた外国人療養客は前年同期比で約8割増加し、ヘルスケア分野での交流・協力も広がっていると説明する。

昼間に療養を体験した後は、夜の観光も楽しめる。屋外の実景ショーやドローンによる光のショー、キャンプファイヤーなどが次々と開催され、「昼は療養、夜はレジャー」という一日を通じた観光体験を提供している。

現在、五大連池は独自の自然資源や政策面でのメリット、サービスの充実を背景に、単なる「観光地」から「保養・療養の目的地」へと変わりつつある。五大連池風景区文化・観光局の孫守紅副局長は、今後も質の高いオーダーメード型ヘルスケアサービスの開発を進め、利用者層に応じたサービスを細分化し、ヘルスケアと文化・観光を融合した産業の高度化を図っていくとしている。(c)東方新報/AFPBB News