7月、米ワシントンのメイフラワーホテルでラトニック米商務長官と面会するキム・ジョングァン(金正官)産業通商資源相=産業通商省提供(c)news1
7月、米ワシントンのメイフラワーホテルでラトニック米商務長官と面会するキム・ジョングァン(金正官)産業通商資源相=産業通商省提供(c)news1

【09月08日 KOREA WAVE】韓国の対米投資第1号として、約30兆ウォン(約3兆4000億円)規模の米テキサス州エンシナル天然ガス複合火力発電所建設事業が事実上決まり、最大8基の大型原発建設も後続事業として議論されている。米国で人工知能(AI)データセンターの拡大に伴い電力需要が増える中、エネルギーインフラが対米投資の中核に浮上している。

韓国国会などによると、テキサス州エンシナルの液化天然ガス(LNG)複合火力発電所建設事業が、対米投資第1号プロジェクトとして推進される。AIデータセンターの電力需要に対応するため、計6.3ギガワット(GW)の発電設備を整備する構想で、まずガスタービン発電設備1.4GWを開発し、高効率の複合火力発電設備4.9GWを順次拡充する案が検討されている。

エンシナル事業の総事業費は当初の168億ドル(約2兆6000億円)から、協議の過程で198億ドル(約3兆1000億円)に増え、米国側が用水インフラなどの追加費用を求めたことで223億ドル(約3兆4000億円)に調整されたとされる。ただ、対米投資基金から実際に拠出する金額は、韓国側の出資比率やプロジェクト融資、米国側の出資構造などによって変わる可能性がある。

米国内での大型原発建設は後続プロジェクトとして検討されている。韓米は韓国が米国内の原発建設に参加する方向では認識を共有しているとされ、最大8基の大型原発が候補に挙がっている。ただし、建設場所や事業者、原子炉の型式、着工時期、投資方式や規模などは確定していない。

背景には米国で急増するデータセンター向け電力需要がある。対外経済政策研究院(KIEP)によると、テキサス州のデータセンター投資計画は10万メガワット(MW)、100GWに達し、バージニア州の3万7000MW、ユタ州の3万1000MWを上回る。ただし、これは実際に稼働しているデータセンターの電力需要ではなく、開発計画を基準とした数値だ。

KIEPのキム・ヒョクジュン副研究委員は「テキサスはデータセンター関連投資が最も多く見込まれる地域」とし、発電所への投資計画を上回るほどデータセンター投資需要があり、将来的に深刻な電力不足が生じる可能性があると指摘した。一方で、投資費用と期待収益を精査する必要があるとも述べた。

ガス発電では、電力の購入先や長期電力購入契約(PPA)、燃料調達、送電網への接続費用、建設費などが収益性を左右する。データセンター需要の増加が、そのまま発電事業の投資収益につながるわけではない。

原発も大規模な電力を安定供給できる一方、長期間を要する大型プロジェクトだ。用地や事業者の選定、原子炉の型式、認可、電力販売契約など多くの事前手続きが必要で、建設費の増加や完成の遅れも収益性に影響する可能性がある。

後続候補にはアラスカLNG開発や米中西部の二酸化炭素回収・有効利用・貯留(CCUS)事業も挙がっている。ただ、大規模なパイプライン建設などが必要となり、事業の不確実性は比較的高いとみられている。

韓国産業通商省は現在、韓米間で協議中で、具体的なプロジェクトや投資条件はまだ確定していないとの立場だ。政府は関連法令に基づく国会への報告と米国側との協議を経て、実際の投資事業を確定する方針だ。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News