キム・チョウンさんとイ・ドユンさんがそれぞれ解いた紙の数独(c)news1
キム・チョウンさんとイ・ドユンさんがそれぞれ解いた紙の数独(c)news1

【09月08日 KOREA WAVE】空欄に入る数字を選び、消しては別の数字を入れる。横と縦の列を行き来しながら一つずつ数字を埋めていくと、やがて81マスが完成する。

数独は縦9マス、横9マスの盤面に1~9の数字を、各行、各列、3×3のブロック内で重複しないように入れるパズルだ。韓国では最近、20~30代を中心に新たな趣味として注目を集めている。

週に約3回、紙の数独を解くキム・チョウンさん(29)は「単に時間を過ごすのではなく、集中して考える時間を過ごしたという感覚があり、より満足できる」と話す。

SNSでは数独を解いた感想などの投稿も共有されている。朝の日課にしたり、地下鉄での移動中に楽しんだりと、それぞれのスタイルで数独に取り組む姿がみられる。

キーワード検索量を調べるプラットフォーム「ブラックキウイ」などの統計を総合すると、4日時点で直近1カ月の韓国ポータルサイト「NAVER」における「数独」の検索件数は11万3000件だった。検索量はまだ目立って増えてはいないものの、9月末までには前月比約9.06%増の12万9000件に達すると予想されている。

知人の紹介で紙の数独を始めたキムさんは、数字を一つずつ埋めながら問題を解く過程が予想以上に面白く、自然と続けるようになったという。退勤後の就寝前や待ち合わせに早く着いた時、通勤時間など、比較的余裕のある時間に楽しんでいる。

キムさんは、数独の魅力として「自分で選び、集中できること」を挙げる。「SNSやショート動画は意図しなくても次々と新しいコンテンツが流れてくる。一方、数独は自分で問題を選び、時間を使って解く必要があるので、受け身でコンテンツを消費するのではなく、自分自身に集中できる時間をつくれる」と話した。

週に約4回、紙の数独を解くイ・ドユンさん(25)も、朝や自宅で時間がある時、公共交通機関での移動中などに楽しんでいる。「一度集中して解き始めると、本当に時間が早く過ぎる。ほかのことをしばらく忘れて集中できるところもいい」と語った。

2人はともに、問題を解くことで得られる達成感を大きな魅力として挙げる。キムさんは以前より速く解いて自己記録を更新した時や、途中で詰まることなく解けた時に楽しさを感じるという。イさんも、数字を一つずつ埋めて答えが見えてくる過程や、最後にすべての数字が正しく入った時の達成感を魅力として挙げた。

数独に別の要素を加えたコンテンツも人気を集めている。最近ではX(旧ツイッター)を中心に、数独と推理を組み合わせた「マーダー数独」が口コミで広がった。従来の数独の論理構造に容疑者や物の配置といった推理要素を加え、犯人を推理するパズルだ。「時間を忘れて楽しんだ」「問題を解いている間、スマートフォンを見なくて済むのがよかった」といった感想もSNSに投稿された。

専門家は、数独は単純で反復的な作業によって不安やストレスから一時的に離れられるだけでなく、問題を解く過程で没頭する感覚や達成感も得られるため、現代人にとって「小さいけれど確かな幸せ」の一つとして注目されていると分析する。

イ・ウンヒ仁荷大学消費者学科教授は「単純で反復的な活動は、不安やストレスがある時にそこから一時的に離れ、心理的な安定を得る助けになる」と説明した。

イム・ミョンホ檀国大学心理学科教授も「最近の若い世代は職場や学校、経済的な問題など現実の中で困難を抱えているため、問題を解きながら達成感を得ようとする人が増えているようだ。一種の『小さいけれど確かな幸せ』ともいえる」と話した。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News