【9月8日 AFP】国連(UN)のボルカー・ターク人権高等弁務官は7日、ウクライナで完全自律型ドローンが殺人行為に及んでいるとの報告を受け、強い懸念を示し、人間の関与なしに人を殺害できる兵器を早急に禁止するよう求めた。

国連人権理事会で演説したターク氏は、「ロシアが導入した完全自律型ドローンにより、先月、ウクライナで3人が殺害されたとの報告に強い衝撃を受けている」と語った。

その一方で、ウクライナ側も「こうした兵器の実戦テストを行ったとされる」との報告を受けているとした。

米紙ニューヨーク・タイムズは先月、7月6日にウクライナ南東部ザポリージャにおいて、人工知能(AI)によって誘導されたロシアのドローンが市民3人を殺害したと報じた。

同紙によると、ドローンは人間のオペレーターによって特定のガソリンスタンドへ向かうようプログラムされていたものの、操縦に人間が介入することなく、プロパンガスタンクとみられる標的を自らピンポイントで選択していた。

「殺人ロボット」としても知られる自律型致死兵器システム(LAWS)の規制を求める動きは、国際機関や非政府組織(NGO)の間で高まりを見せている。

先月には、国連のアントニオ・グテレス事務総長と赤十字国際委員会(ICRC)総裁のミリアナ・スポリアリッチ氏が共同声明を発表。「機械によって人間が自動的に標的とされるという、道徳的に一線を越える危険な状況に世界は直面している」と警告し、こうした兵器に対する規制の強化を求めた。

ターク氏も演説で「人間の介在なしに人命を奪うことのできる兵器の緊急禁止を求める声に私も賛同する」と強調した。

長年にわたる議論を経て、国連では6日、LAWSの定義について128か国が合意に至った。しかし、NGO側からは、特に米国やロシアが合意文書の文言を弱めようと画策したとの批判の声も上がっている。

国連加盟国は今年11月に開かれる特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)の締約国会議で、こうした兵器を規制する国際条約の策定交渉へと進むかどうかを決定する。(c)AFP