【9月8日 AFP】仏パリのシンボル、エッフェル塔が7日、ヒンズー教団体が訪問した際に女性従業員が排除されたことに抗議するストライキのため閉鎖された。労働者側および運営会社が明らかにした。

この訪問は、ヒンズー教系スピリチュアル団体「BAPS」がセーヌ川で文化的船上パレードを主催した日に行われた。

エッフェル塔の従業員らは声明で、ヒンズー教系団体の訪問中に「性別を理由に女性従業員を排除し、男性に置き換え、不可視にした業務上の指示」を非難。

「ヒンズー教団体を受け入れるに当たり、エッフェル塔および下請業者の女性従業員に対し姿を消すよう指示が出された」として、このような状況に置かれたことにショックを受けたと付け加えた。

さらに、「一部の従業員は持ち場を離れて他のエリアに引っ込むよう求められた。一部の持ち場は男性従業員に置き換えられた。そしてすべての女性従業員は、ヒンズー教団体の滞在中、特定のエリアを通過しないよう命じられた」とも述べている。

これを受けエッフェル塔の運営会社SETEは、ヒンズー教系団体から「女性とのやり取り」を制限する形での訪問手配を要請されていたことを認め、「こうした条件を受け入れるべきではなかった」と述べた。

さらに、これらの条件は「SETEの価値観にも、男女平等の原則にも沿うものではなかった」として、責任を取ると約束した。

社会党所属の政治家でもあるSETEのアリエル・ベイル社長はAFPに対し、「妥当なやり方ではないのは明らかだ」「エッフェル塔は共和制の価値観および男女平等に向けて取り組むと改めて表明する」と述べた。

パリのエマニュエル・グレゴワール市長(社会党)はX(旧ツイッター)で、エッフェル塔の経営陣がヒンズー教団体の条件に同意したことは「受け入れがたい」と述べ、調査(社内調査)を開始すると表明した。

ウェブサイトによると、エッフェル塔は7日、終日閉鎖された。だが、従業員代表によると、8日からは通常通り営業を再開するという。

インドのナレンドラ・モディ首相率いるヒンズー至上主義の与党・インド人民党(BJP)に近いBAPSは6日、パリ近郊にフランス初となる大規模寺院の献堂式を行ったばかりだった。

フランスのオロール・ベルジェ男女平等担当相はXで怒りを露わにした。

「フランスにおいて、われわれが女性に自らの存在を消すよう求めることはない。いかなる教義も、いかなる宗教も、フランス共和国の法律の上に立つことはない」と記した。

極右政党、国民連合(RN)の指導者で大統領選の有力候補でもあるマリーヌ・ルペン氏もこの事案を批判し、フランスは女性の存在が「制限」されることを「決して受け入れない」と述べた。

大統領選のライバルである中道派のガブリエル・アタル元首相は、「フランスにおいては、いかなる文化も、いかなる信仰も、いかなる宗教も、何人たりとも女性に対しそのあるべき場所を指図することはできない」と述べた。(c)AFP