大統領府で開かれた首席補佐官会議に出席するイ・ジェミョン(李在明)大統領(c)MONEYTODAY
大統領府で開かれた首席補佐官会議に出席するイ・ジェミョン(李在明)大統領(c)MONEYTODAY

【09月08日 KOREA WAVE】トランプ米大統領が韓国にホルムズ海峡への派兵を求める圧力を強める中、イ・ジェミョン(李在明)大統領の実用外交が試されている。韓米同盟を維持しながら、軍事介入による国民の安全や国益への影響を最小限に抑える対応策を見いだせるかが焦点となる。

イ・ジェミョン大統領は大統領府で開かれた市民社会との懇談会で、ホルムズ海峡への派兵について「議論が進展したわけではない。検討している」と述べたと伝えられた。一方、ホルムズ海峡を通過する韓国商船の安全な航行を確保することは重要だとの趣旨の発言もしたという。

派兵問題が外交・安全保障上の重要課題に浮上した背景には、トランプ大統領による相次ぐ要求がある。トランプ氏は米国とイランの戦争が続いていた3月、SNSで日本、韓国、中国、フランス、英国の5カ国を挙げ、軍艦を派遣してホルムズ海峡の航路確保に加わるよう要求した。

5月には韓国の海運大手HMM所属の「ナム号」が攻撃されたことに触れ、「韓国も作戦に加わる時だ」と主張。8月のホワイトハウスの記者説明では、イ・ジェミョン大統領にホルムズ海峡を巡る支援を求めたものの拒否されたとして不快感を示した。

さらにトランプ氏は9月4日、韓国の主要ミサイル防衛システム「天弓2」をウクライナに売却すべきだとする米紙ワシントン・ポストのコラムをSNSで共有した。記事では、これもホルムズ海峡への派兵を迫る圧力との見方が出ている。

韓国政府が派兵を決めれば、ノ・ムヒョン(盧武鉉)政権時代の2004年初めにイラクへザイトゥーン部隊を派遣して以来、22年ぶりとなる。当時は2002年に米軍装甲車にひかれて女子中学生2人が死亡した事件を受け、反米感情が高まっていた。イラク派兵を巡って国会での同意案審議が難航し、各地で派兵撤回を求める集会も開かれた。

今回は当時と状況が異なる。ナム号がホルムズ海峡付近で攻撃された後、韓国商船の安全な航行を確保すべきだとの声が強まった。ホルムズ海峡は韓国が輸入する原油の相当量が通過する主要な海上輸送路で、韓国の経済・安全保障上の利害と直結している。このため国際協力や海上戦力の派遣などが選択肢として挙がっている。

一方、派兵が国民の安全に直接、間接の危険をもたらす可能性もあり、政府にとって判断は容易ではない。イランの政府高官も「韓国が米軍の違法な作戦に協力するよう求める米国の圧力に屈してはならない」とし、ホルムズ海峡でイランに反する韓国の行為は、軍事攻撃への直接参加とみなすと警告した。

韓国内の進歩系政党からも反対の声が出ている。祖国革新党のキム・ジュンヒョン院内代表は「派兵は政府が絶対に越えてはならない一線だ」と主張。進歩党のチョン・ヘギョン議員も、イ・ジェミョン大統領がすべきことはホルムズ海峡での参戦ではなく、戦争を止めることだと述べた。

(c)MONEYTODAY/KOREA WAVE/AFPBB News