【9月12日 CGTN Japanese】世界的な大規模モデルの発展に伴い、半導体の消費電力が急増しており、従来の空冷や外部の銅製ヒートシンクによる放熱方式は物理的な限界に近づいています。こうした背景から、液冷市場が注目を集めています。中国の山東省や広東省にある複数の液冷関連生産ラインでは、今年末まで注文が埋まっている状態です。

今年8月、中国初となる液浸冷却方式を採用したコンテナ型AIコンピューティングセンターが、貴州省貴陽市で稼働を開始しました。施設内には4基の液浸冷却ラックが設置されており、冷却液でサーバーを包み込んで熱を奪い、外部の密閉型冷却塔と組み合わせて熱を循環・放散させることで、従来の空冷方式を刷新しました。

現在、同施設では専用の冷却液として、シリコーンオイル、フッ素化液、合成油、変圧器油のテストが行われています。エネルギー消費の面では、すでに違いが顕著になり始めています。従来の空冷では1キロワット時分の計算処理を行うために、放熱用として追加で0.3〜0.5キロワット時の電力を消費しますが、完全液浸冷却では追加の放熱消費電力を約0.15キロワット時に抑えることができます。

現状の課題はコストと技術の成熟度です。専門家によりますと、フッ素化液は性能や互換性に優れていますが、コストが高く、揮発による損失もあります。一方、シリコーンオイルは価格が低く安定しており、現時点ではより商業化に近いものの、性能面でさらなる改善が必要です。

液浸方式以外に、現在の液冷でより主流かつ成熟しているのはコールドプレート液冷です。専門家は、AIサーバーラックの消費電力が100キロワットを超えると、コールドプレート液冷による冷却の負荷が明らかに増大するため、液浸方式の優位性が高まると指摘しています。

新規のAIコンピューティングセンターが急速に増加する一方で、既存のデータセンターの省エネ改修ニーズも顕在化しており、中国の液冷市場は新規需要と既存需要の両方を同時に取り込んでいます。中国のシンクタンクのデータによりますと、2025年の中国の液冷データセンター市場規模は前年比45.2%増の159億8000万元(約3750億円)に達しました。業界機関の予測では、2026年の世界のAIコンピューティング向け液冷市場規模は1000億元(約2兆3000億円)を突破する見通しです。(c)CGTN Japanese/AFPBB News