光州市の自動運転実証都市事業で展示された「アイオニック5」ベースの自動運転実証車両(左)と「ATRIA AI」の紹介ブース=現代自動車・起亜提供(c)news1
光州市の自動運転実証都市事業で展示された「アイオニック5」ベースの自動運転実証車両(左)と「ATRIA AI」の紹介ブース=現代自動車・起亜提供(c)news1

【09月07日 KOREA WAVE】中国の自動運転タクシーが韓国市場へ進出する見通しとなった。韓国の自動運転産業が依然として実証段階にある中、中国の自動運転技術企業「小馬智行(ポニー・エーアイ)」は2028年、ソウルに安全運転者を乗せない完全無人ロボタクシー200台を投入する計画だ。ただ、韓国での運用には各種認証や許可が必要で、実際の商用化時期は不透明だ。

業界によると、小馬智行と韓国の自動運転企業フューチャーリンクは8月28日に戦略的協力協定を締結し、小馬智行の第7世代ロボタクシーを韓国へ導入することで合意した。韓国内の認証を経て2028年にソウルで完全無人サービスを始めることを目指し、当初200台を投入する。

小馬智行は北京、広州、深圳などで完全無人ロボタクシーを商用運転し、累計自動運転距離は1億キロを超えた。一方、韓国政府は光州市全域に2026年中に約200台の自動運転車を投入し、2027年から最大3000台まで実証車両を増やす計画だ。光州以外にも少なくとも3カ所を実証都市に追加指定する。

ソウルで実際に市民を乗せる自動運転タクシーはさらに少ない。ソウル市は江南地区の深夜自動運転タクシーを7台から19台に増やしたが、運転時間は平日の午後10時から翌午前5時までに限られる。

韓国で自動運転の開発が遅れた背景には、車両を十分に走らせる実証環境の不足がある。中国・武漢では約3000平方キロ、米カリフォルニア州では647平方キロが自動運転車に開放されているのに対し、韓国の区域型試験運転地区は計約114平方キロにとどまる。韓国の自動運転車の累計走行距離も2025年末時点で1306万キロだった。

走行規模の差は、技術競争力を左右するデータ量の格差にもつながっている。韓国企業オートノマスA2Zの国内外での累計自動運転距離は2026年5月時点で約102万キロ。一方、グーグル系のウェイモは3月末時点で完全自動運転による走行距離が2億2000万マイル(約3億5400万キロ)を超え、中国百度のアポロゴーも5月時点で約3億3000万キロに達した。集計基準には違いがあるものの、韓国企業との差は300倍を超える。

自動運転AIは、歩行者の突然の動きや車両の割り込み、工事区間、悪天候など、実際の道路で多様な状況を経験するほど判断能力を高められる。商用化が遅れて走行車両が少なければ、データ蓄積と技術高度化も遅れる構造となる。

規制や既存の運送業界との利害関係、事業モデルの不足も課題だ。大量の走行データを処理し、AIを学習させるためのGPUなどのインフラ確保も必要になる。

小馬智行も韓国で有料運転するには、車両認証や自動運転に関する安全性の検証を受けなければならない。試験運転地区で有料の旅客サービスを提供するには、管轄する市・道知事の許可も必要だ。中国車両がカメラやLiDARで韓国の道路データを収集することから、データの安全保障や主権をめぐる問題も変数となっている。

専門家は、世界の競争は実際の車両をどれだけ多く走らせ、データを蓄積できるかが重要になっているとして、韓国でも単なる実証拡大にとどまらず、有料輸送などの商用サービスへ迅速につなげられる環境づくりが必要だと指摘している。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News