8月30日に撮影された衛星写真で確認された、新鴨緑江大橋の北朝鮮側通行施設の工事状況=38ノース提供(c)news1
8月30日に撮影された衛星写真で確認された、新鴨緑江大橋の北朝鮮側通行施設の工事状況=38ノース提供(c)news1

【09月07日 KOREA WAVE】2014年に完成しながら12年間にわたり閉鎖されたままだった、北朝鮮と中国を結ぶ新鴨緑江大橋で、開通に向けた最終段階の準備が進んでいることが分かった。北朝鮮の対外貿易の最大拠点である新義州と中国・丹東を結ぶ新たな陸上交易路が近く開かれるとの見方が出ている。

米国の北朝鮮専門サイト「38ノース」が8月30日に撮影された商業衛星写真を分析したところ、北朝鮮・平安北道新義州市の新鴨緑江大橋入り口に建設中の貿易・出入国施設で、2026年夏に工事が大きく進んだことが確認された。

7月の衛星写真では、倉庫や税関・保安施設の骨組みと屋根の工事はほぼ終了していたが、税関の敷地や周辺の進入路の多くは未舗装だった。しかし8月30日の写真では、施設内の道路が舗装され、一部の付属建物周辺では造園作業も進んでいた。

複数の大型倉庫には屋根が設置され、中心施設や付属建物の外装工事もほぼ終了。橋が北朝鮮側の陸地と接する地点には、車両が通過できる新たなゲート状の施設も建設された。駐車場には複数の車両があり、橋の中国側と北朝鮮側でもそれぞれ車両が確認された。

7月には中国側の税関が、従来の中朝友誼橋を利用していた貨物トラック約300台について、車両と運転手の情報を登録したとの報道もあった。38ノースは、こうした動きについて、定期的な車両通行の開始に向けた準備が進んでいることを示していると評価した。

新鴨緑江大橋が開通すれば、中朝間の物流処理能力は大幅に拡大する見通しだ。大韓貿易投資振興公社(KOTRA)が7月に発表した「2025年北朝鮮対外貿易動向」によると、公開統計で北朝鮮の対外貿易に中国が占める割合は98.2%に達する。

そのうち70%以上が1943年に建設された中朝友誼橋を利用している。同橋は道路と鉄道がそれぞれ単線で、貨物車は時間帯を分けて一方向ずつ通行する構造のため、増加する物流量への対応には限界がある。

一方、新鴨緑江大橋は往復4車線で建設された。開通すれば道路貨物を新しい橋に分散させ、中朝友誼橋は鉄道輸送を中心に活用できる。中国産の原材料や建設機械、食料品などの北朝鮮への搬入や、北朝鮮製品の輸出を支える新たな交易路となる。

新鴨緑江大橋は中国の資金支援で建設されたが、北朝鮮側が接続道路や税関、出入国施設を予定通り整備できず、開通が長期間延期されてきた。北朝鮮の核・ミサイル開発や対北朝鮮制裁、中朝関係の変化、新型コロナウイルスによる国境封鎖も重なり、一時は中朝間の不信を象徴する施設とみられていた。

最近の工事進展は、中朝関係の改善が実質的な経済協力につながっている兆候とも解釈されている。6月の中朝首脳会談でシー・ジンピン(習近平)中国国家主席が国境通商口の全面開放と貿易・建設分野の協力拡大方針を示した後、開通準備が加速している。

北朝鮮はロシアとの国境でも、両国を結ぶ初の豆満江自動車橋を建設している。北朝鮮側の施設はほぼ完成した一方、ロシア側では税関や進入道路の工事が続いているとされる。

最近の鴨緑江流域の水害によって開通準備が遅れる可能性は残るものの、浸水後の8月30日に撮影された衛星写真でも道路舗装や車両の動きが確認された。長期間工事が中断するほどの被害ではないとみられている。

韓国政府は新鴨緑江大橋が2025年末に開通すると予想していたが、実現しなかった。仕上げ工事や水害復旧が続き、中朝両国も具体的な日程を明らかにしていないため、実際の開通時期はなお不透明となっている。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News